チェイス〜国税査察官〜

『チェイス〜国税査察官〜』

2010年4月17日から5月22日まで、NHKの「土曜ドラマ」枠で放送された『チェイス〜国税査察官〜』は、全6話から成る連続テレビドラマです。この作品は、脚本家坂元裕二による完全オリジナルのストーリーであり、「社会派エンターテイメント」をテーマとした同枠初の作品として位置付けられています。物語は、6000億円という巨額の資産をめぐる国税査察官と脱税コンサルタントの対立を描いています。

キャストと役柄

主演には江口洋介が選ばれ、国税局査察第20部門に所属する国税査察官・春馬草輔役を演じています。草輔は脱税摘発に情熱を燃やす一流の査察官ですが、その仕事に夢中になるあまり、家庭を犠牲にすることもあります。物語は、彼が家族のために選択を迫られ、果たすべき責任を背負いながらも自らの正義を追求する様子を描いています。

林田鉄雄（田中圭）、品田基彦（奥田瑛二）、新谷聡史（益岡徹）なども重要な役どころを果たし、各キャラクターはそれぞれ異なる視点に立って物語に深みを与えています。

物語の展開

ドラマは、草輔が家族と計画した海外旅行を犠牲にし、航空機事故で妻の雪恵（木村多江）を失うことでスタートします。彼はその事故に深い喪失感を抱え、一方で脱税コンサルタントである村雲（ARATA）との対峙を強いられます。村雲は高額な報酬で脱税を支援する冷静な人物であり、自らの目的のためには手段を選びません。草輔は村雲の影の策略を追い詰めるため、執念を燃やして調査を進めます。

社会問題に迫る

このドラマは単なる刑事ものではなく、日本社会における税の問題や道徳観、家族の絆についても考えさせる要素を含んでいます。脱税のテーマは現実の問題を反映しており、観客にとって身近な課題として考えられるのです。受賞歴も豊富で、第65回ザテレビジョンドラマアカデミー賞ではARATAが助演男優賞を受賞しました。

まとめ

『チェイス〜国税査察官〜』は、スリリングなストーリー展開と緻密な脚本、圧倒的な演技力で視聴者を引き込む作品です。社会問題をエンターテインメントとして昇華させつつ、人間ドラマとしての側面も大切にしているこの作品は、多くの視聴者に深い印象を残しました。世の中の不条理に直面する人々の姿を描くことで、ただ楽しむだけではなく、考えさせられる内容となっています。

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