チザルピーナ共和国

チザルピーナ共和国の概要

チザルピーナ共和国（イタリア語: Repubblica Cisalpina）は、18世紀末から19世紀初頭にかけてイタリア北部に存在した共和国です。この国は1797年から1802年の間、フランスの影響下で設立され、ナポレオン・ボナパルトのイタリア遠征の結果、形成されました。また、共和国は最終的にイタリア王国に発展します。

成立の背景

1796年、ナポレオンはイタリアでの軍事キャンペーンを通じて北イタリアの広範囲を占領しました。この際、支配下に置かれた地域には、チスパダーナ共和国とトランスパダーナ共和国がありました。2つの共和国は1797年6月29日に統合され、チザルピーナ共和国が誕生しました。新しい共和国はその後、1797年10月17日にカンポ・フォルミオ条約によって、オーストリアの承認を得ることに成功します。

地理と人口

チザルピーナ共和国の首都はミラノであり、設立当初は約42,500平方キロメートルの国土を持ち、人口は約324万人に達しました。行政区画としては、20の県が設けられ、効率的な統治を目指しました。

軍事的混乱と再建

1799年、チザルピーナ共和国はオーストリア軍によって侵攻され、全土が占領されました。この時期、共和国の存続が危ぶまれましたが、1800年のマレンゴの戦いにおいてフランス軍が勝利を収めたことで情勢が一変、共和国は再建されることとなります。

政体の変化

1802年、チザルピーナ共和国はナポレオンを大統領とし、名称を「イタリア共和国」に変更しました。この改名は、ナポレオンの影響力の強化と新たな政権の成立を反映しています。さらに、1805年にはフランス第一帝政の確立により、ナポレオンを国王とする「イタリア王国」へと移行します。これにより、共和国は新たな王国の一部として位置付けられることとなり、ナポレオンの支配が続きました。

終焉と影響

しかし、1814年にはナポレオンが退位し、これに伴いチザルピーナ共和国及びその後の王国は消滅しました。チザルピーナ共和国の短い歴史は、フランスの影響とナポレオンの野心の一端を示しており、イタリアの政治地図において重要な位置を占めていました。彼の時代に確認された地理的および政治的な境界が、後のイタリア国家の成立に向けた道筋を形作ったことは歴史的意義があります。

まとめ

チザルピーナ共和国は、イタリアの歴史の中でフランスの影響を受けた重要な政体であり、その存在はナポレオンの時代に特有の政治的背景を反映しています。消滅はしたものの、その遺産は今もイタリアの歴史に影響を与え続けています。

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