チップとデールの大作戦 (コンピュータゲーム)

チップとデールの大作戦：ファミリーコンピュータの名作アクションゲーム

『チップとデールの大作戦』は、ディズニーアニメ『チップとデールの大作戦』を原作とした、カプコン開発の横スクロールアクションゲームです。1990年にファミリーコンピュータ（NES）向けに発売され、日本と北米で人気を博しました。その後、ヨーロッパでもアーケード版が展開され、世界累計約120万本を売り上げました。

ゲームシステム

本作は、1～2人同時プレイが可能なプラットフォームアクションゲームです。プレイヤーはチップとデールを操作し、マップからステージを選択して進みます。各ステージでは、歩く、ジャンプする、潜るなどのアクションに加え、ドングリや木箱、タルなどを拾って敵に投げつけて攻撃します。体力は3回までダメージに耐えられますが、パスワード機能はありません。

2人プレイ時には、1Pがチップ、2Pがデールを担当します。さらに、モンテリージャックやジッパーといったレスキューレンジャーの仲間たちも登場し、ゲームをサポートします。モンテリーは壁を壊したり、ジッパーは無敵状態にしてくれたりします。また、囚われの身であるガジェットも、無線や伝書鳩を通じてヒントを与えてくれます。

ストーリー

レスキューレンジャーは、少女マンディーの猫を探す依頼を受けます。ガジェットの調査やモンテリーの証言から、チップとデールは街や研究所を調査しますが、そこでロボットに襲撃されます。ロボットを倒すと、ファットキャットが現れ、猫は誘拐の罠であり、ガジェットを捕らえ強制的に働かせていることを明かします。しかし、ガジェットはチップとデールと連絡を取り合い、地図や危険を知らせます。その指示に従い、チップとデールはファットキャットのカジノへ向かい、ガジェットを救出します。ガジェットからロケットを受け取ると、ファットキャットの隠れ家へ向かい、最終決戦に挑みます。

開発

本作は、カプコンが『わんぱくダック夢冒険』に続いて開発したディズニーゲームの一つで、藤原徳郎氏が開発に携わりました。当時のディズニーゲームプロデューサー、ダーリン・レイシー氏は、本作が開発期間中に大きな変更もなく、会社の家族向けという基本理念を満たした「最もトラブルの少ない」プロジェクトの一つであったと語っています。日本版とヨーロッパ版では、北米版オープニングカットにおけるグラフィックの不具合が修正されました。また、プライベートコレクターから、ライフ回復アイテムの入手数が製品版よりも少ない試作品カートリッジの存在が明らかになっています。

評価

『チップとデールの大作戦』は世界で約120万本を売り上げ、カプコンの任天堂向けゲームとしては4番目の売り上げを記録しました。北米では好意的に受け入れられ、「エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー」誌では、グラフィックとゲームプレイが高く評価され、2人同時プレイと「漫画のような」ビジュアルが称賛されました。一方、難易度については、「難易度が簡単すぎる」という批判もありました。しかし、ヨーロッパの「ミーン・マシーン」誌は「難しく楽しめる」と評価し、他のプラットフォームゲームよりもスピードと挑戦的な難易度が高いと評しました。

また、1990年11月にペアレンツ・チョイス財団のペアレンツチョイスアワード（ビデオゲーム部門）を受賞しています。

雑誌「Nintendo Power」では、任天堂システムで発売された優れたゲーム100選の79位に選出されました。IGNは、最高のNESゲーム100選で71位にランクインさせ、「中毒性のあるプラットフォーマーゲームの傑作」と評価しました。GameRadarは、最高のディズニーゲーム7選の6位にランクインさせ、発売から20年近く経った今でもプレイする価値があると述べています。

日本のゲーム誌「ファミコン通信」のクロスレビューでは28点（満40点）、「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による「ゲーム通信簿」では19.46点（満30点）を獲得しています。

続編

1993年12月には、続編となる『チップとデールの大作戦2』がファミリーコンピュータ向けに発売されました。ゲームシステムは前作とほぼ同様で、2人プレイ専用のミニゲームや、仲間を武器として投げるなどの協力プレイ要素が追加されています。

外部リンク

* Disney's Chip 'n Dale: Rescue Rangers (英語) - MobyGames

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