チボ・マット

チボ・マット（Cibo Matto）は、日本人の本田ゆかと羽鳥美保によって1994年にニューヨークで結成された音楽ユニットです。ユニット名はイタリア語で「食べ物狂い」を意味します。

結成と初期の活動

1988年から音楽活動をしていた本田ゆかと、当時留学生だった羽鳥美保は、共通の知人の紹介で出会い意気投合します。即興音楽イベントへの出演をきっかけに「Leitoh Lychee」を結成し、ライブ活動を開始。その後、ユニット名をチボ・マットに改名しました。

1995年には、El Diablo RecordsからEP『チボ・マット』を発表。ソウル・コフィングとのジョイントライブで、プロデューサーのミッチェル・フルームに見出され、ワーナー・ブラザース・レコードと契約を結びます。

メジャーデビューと評価

1996年、ミッチェル・フルームとチャド・ブレイクのプロデュースによるアルバム『ヴィヴァ!ラ・ウーマン』でメジャーデビュー。食べ物をテーマにしたユニークな歌詞とサウンドが、カレッジ・ラジオを中心に支持を集めました。収録曲「Sugar Water」「Know Your Chicken」のミュージックビデオは、それぞれミシェル・ゴンドリー、エヴァン・ベルナルドが手掛け、MTVでも話題となりました。

同時期に、オノ・ヨーコのアルバム『Rising Mixes』のリミックスに参加。このレコーディングをきっかけに、本田はショーン・レノンと交際を始め、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンのラッセル・シミンズ、スケルトン・キーのリッキー・リー、映像作家のマイク・ミルズとサイドプロジェクト「バター08」を結成。ビースティ・ボーイズのレーベル「グランド・ロイヤル」からアルバム『バター』を発表しました。このアルバムには、ショーン・レノンやティモ・エリスもゲスト参加しています。

メンバーの加入と活動休止、そして復活

1997年のEP『スーパー・リラックス』からショーン・レノンとティモ・エリスが、1999年のシングル「ワーキング・フォー・ヴァケイション」からデュマ・ラヴが加入。しかし、2001年夏のライブを最後に活動を休止し、本田と羽鳥はそれぞれ別のユニットで活動を始めました。

2011年6月26日には、アメリカの「Hollywood Bowl」で、YMO、テイ・トウワ、Buffalo Daughterらと共に、10年以上ぶりの復活ライブを行いました。

再びアルバムリリース、そして解散

2014年2月14日、15年ぶりとなるオリジナル・アルバム『ホテル・ヴァレンタイン』をショーン・レノンが主宰するChimera Musicからリリース。サポートドラマーとして、あらきゆうこが参加しました。

しかし、2017年12月12日、SNSで解散を発表し、チボ・マットとしての活動に終止符を打ちました。

ディスコグラフィ

アルバム
『ヴィヴァ!ラ・ウーマン』 - Viva! La Woman (1996年)
『ステレオタイプ A』 - Stereo ★ Type A (1999年)
Pom Pom: The Essential Cibo Matto (2007年) ※ベスト・アルバム
『ホテル・ヴァレンタイン』 - Hotel Valentine (2014年)
EP
『チボ・マット』 - Cibo Matto (1995年)
『スーパー・リラックス』 - Super Relax (1997年)
シングル
「ワーキング・フォー・ヴァケイション」 - "Working for Vacation" (1999年)
"Moonchild" (1999年)
「スプーン」 - "Spoon" (1999年)

チボ・マットは、その独創的な音楽性と、本田と羽鳥の個性的なキャラクターで、1990年代の音楽シーンに大きな足跡を残しました。

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