チャイルド・プレイ

チャイルド・プレイ シリーズ

「チャイルド・プレイ」（Child's Play）または「チャッキー」（Chucky）は、ドン・マンシーニが製作した1988年公開のアメリカ映画『チャイルド・プレイ』から始まったホラーシリーズです。

ストーリー概要

このシリーズは、死を免れるためブードゥー教の秘術でグッドガイ人形に魂を移したシリアルキラー、チャッキー（声：ブラッド・ドゥーリフ）を中心に展開します。シリーズを通して、チャッキーは人間の体を取り戻そうと画策し、様々な人々を恐怖に陥れます。

初期の作品はオカルト色の強い正統派ホラーでしたが、次第にダークユーモアや風刺的な要素が強まり、特に『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』や『チャイルド・プレイ/チャッキーの種』では、ホラーコメディの色彩が濃くなりました。

シリーズ展開

映画は第1作以降、6つの続編、リメイク版、テレビシリーズが製作され、さらにコミック、テレビゲーム、タイアップ商品、アトラクションなど、多岐にわたるメディア展開が行われています。映画1作目、2作目、4作目は興行的に成功を収め、シリーズの累計世界興行収入は1億8200万ドル、ビデオ、DVD、VOD、関連商品を含む売り上げは2億5000万ドル以上に達しています。

映画作品

チャイルド・プレイ（1988年）

逃亡中の殺人鬼チャールズ・リー・レイ（チャッキー）は、刑事マイクに撃たれて致命傷を負います。死の間際、おもちゃ屋に逃げ込んだ彼は、ブードゥー教の秘術を使ってグッドガイ人形に魂を移します。人形の姿になったチャッキーは、自分が永遠に人形のままではいられないと知り、人形を買った少年アンディの体を乗っ取ろうとします。アンディはチャッキー人形が生きていることに気づき周囲に知らせようとしますが、誰にも信じてもらえず、事態は悪化する一方。アンディは犯人にされ、精神病院に閉じ込められてしまいます。一方、チャッキーの正体を知った母親カレンとマイク刑事は、アンディを救うため、チャッキーに最後の戦いを挑みます。

チャイルド・プレイ2（1990年）

前作で黒焦げになり、心臓を撃ち抜かれたチャッキーでしたが、グッドガイ人形の製造会社プレイパルス社が、人形を復元して「デマ」を払拭しようとしたことで、再び蘇ります。チャッキーは再びアンディを探し出し、体を乗っ取ろうとします。一方、アンディは精神病院から児童保護センターに移され、里親に引き取られますが、義理の父親とは上手くいきません。同じ境遇の義理の姉カイルとはすぐに打ち解けます。カイルは偶然、グッドガイ人形を見つけ、アンディの話が真実だと知り、アンディを守るために立ち上がります。

チャイルド・プレイ3（1991年）

時は流れ、グッドガイ人形の工場跡地でチャッキーの残骸が再び製造機にかけられ、チャッキーは蘇ります。成長して軍に入隊したアンディの居場所を探し出したチャッキーは、駐屯地に潜入しますが、青年になったアンディよりも、少年兵タイラーに目をつけ、目標を変更します。チャッキーの復活を知ったアンディは、タイラーを守るべく立ち上がります。

チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁（1998年）

前作から1ヶ月後、バラバラになったチャッキーを、かつての恋人ティファニーが復元させますが、いざこざから彼女を殺害。ティファニーの魂を花嫁人形に移します。チャッキーはカップルの駆け落ちを利用し、自分の死体が埋葬された墓地へ向かう計画を立てます。行く手を阻む者が次々と殺されていく中、カップルは互いを疑心暗鬼になりながらも墓場を目指します。

チャイルド・プレイ/チャッキーの種（2004年）

乱暴な腹話術師に使われていた人形シットフェイスは、テレビでチャッキーとティファニーをモデルにした映画のニュースを見て、自分が彼らの息子だと確信し、アメリカへ逃亡します。冷たくなったチャッキーとティファニーを見つけたシットフェイスは、ブードゥー教の秘術で2人を蘇らせますが、子供の教育方針を巡って夫婦間でバトルが始まります。

チャイルド・プレイ/誕生の秘密（2013年）

ブラックジョークが多かった前2作から、純粋なホラーへの回帰を目指した作品。チャッキー誕生の秘密が明かされるスピンオフ作品で、チャッキーの回想場面で第1作目の冒頭に繋がるシーンが描かれています。第1作でアンディを演じたアレックス・ヴィンセントが成長したアンディを演じています。母親のカレンも生存しており、マイク刑事もアンディ親子と交流があることが明かされます。

チャイルド・プレイ 〜チャッキーの狂気病棟〜（2017年）

チャッキーとの戦いの後、ニカは精神病院に入院しますが、治療という形でチャッキーと再会します。それを知ったアンディは、精神病院を訪れます。

チャイルド・プレイ（2019年）

2019年に製作されたリメイク版。オリジナル版とは異なる設定で、現代的な要素が盛り込まれています。

テレビシリーズ

2018年、ドン・マンシーニとデヴィッド・カーシュナーによってテレビシリーズの企画が発表されました。シリーズはオリジナルの映画と連続性があり、ブラッド・ドゥーリフがチャッキーの声を務めます。

主要キャラクター

チャールズ・リー・レイ（チャッキー）

本シリーズのメインキャラクター。「湖畔の絞殺魔」と呼ばれた連続殺人鬼。逃亡中に魂をグッドガイ人形に移します。人形の姿ですが、殺人術に長けており、様々な方法で人々を殺害します。シリーズが進むにつれて、分身能力や人間の体を乗っ取る能力を身につけていきます。

グッドガイ人形

チャールズ・リー・レイが魂を移す人形。PLAY PALS TOYS社製で、乾電池で動きます。個体ごとに名前があり、チャッキー以外にもトミー、オスカーなどが登場します。実は日本製という設定も存在します。

アンディ・バークレー

シリーズの主人公。第1作から登場し、チャッキーに狙われる少年です。成長するにつれて、チャッキーに立ち向かうようになります。

ティファニー

チャッキーの恋人。初登場は『チャッキーの花嫁』。チャッキー同様、残忍な性格で、花嫁人形に魂を移してからは、チャッキーと共に殺戮を繰り返します。しかし、時には良心的な面も見せ、チャッキーとの間に生まれた子供の将来を案じることもあります。

カレン・バークレー

アンディの母親。第1作ではチャッキーの正体を知り、息子を守るために戦います。

マイク・ノリス

第1作でチャッキーを射殺した刑事。カレンと共にアンディを守ろうとします。

論争

『チャイルド・プレイ』は、いくつかの犯罪事件に影響を与えたとして論争を引き起こしました。特に、映画を模倣したとされる殺人事件が報道され、社会的な議論を呼びました。

その他のメディア

ビデオゲーム

エンドレスランナー型のビデオゲーム「Chucky: Slash & Dash」がリリースされています。

テーマパークアトラクション

ユニバーサル・テーマパークでは、ハロウィーン・ホラー・ナイト期間中にチャッキーをテーマとしたホラーメイズが開催されています。毎年異なるテーマで、チャッキーの恐怖を体験できる内容となっています。

まとめ

「チャイルド・プレイ」シリーズは、ホラー映画の枠を超え、コメディや風刺、人間ドラマなど、様々な要素を盛り込んだエンターテイメント作品です。チャッキーという魅力的なキャラクターを中心に、多くのファンを魅了し続けています。

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