チャイルド・リサーチ・ネット

チャイルド・リサーチ・ネット（CRN）について

チャイルド・リサーチ・ネット（Child Research Net、略称CRN）は、1996年に設立され、子どもに関する学際的な研究と情報発信を行う研究所です。情報の提供は日本語、英語、中国語の3つのウェブサイトを通じて行われており、営利法人ベネッセコーポレーションの支援を受けながら、子どもを取り巻く問題の解決に向けた活動を展開しています。

設立の背景

小林登所長が提唱する「成育」という概念は、子どもが本来持っている成長の力と、親や学校など周囲の支えによる育成の力との相互作用を強調したものです。これを基に、従来の学問分野を超えた多様な視点からの研究を行い、子どもたちの成長や発達、育児や教育を統合的に理解しようとするアプローチが意図されています。

インターネットが急速に浸透していた当時、小林はこの新しい通信手段を活用し、世界中の研究者や施設と連携しながら子ども研究を広めていくことの重要性に気づきました。このビジョンに基づき、1996年に日本語のCRNサイトを立ち上げ、その後英語や中国語のサイトも加わりました。これにより、国内外での学際的な研究の柱となることができました。

CRNの特徴

中立性

CRNは非営利組織としての立場を明確にし、中立性を保っています。これにより、さまざまな立場や意見を持つ人々からの信頼を得ることを目指しています。

国際性

3言語でのコンテンツ提供を通じて、国際的なシンポジウムや講演会の開催にも取り組み、多国籍な視野を持った意見交換の場を設けています。

学際性

従来の学問領域の枠を越えた学際的な子供研究を推進し、日本子ども学会や日本赤ちゃん学会の支援を通じて、多角的な研究が進められています。

具体的な活動内容

CRNは、自らのウェブサイトにおいて、それぞれの言語に適した独自のコンテンツを提供しています。教育者や研究者、一般の人々に向けた情報発信が行われ、さらに研究活動としてプレイショップなどの実施も行っています。

国内および国際的なシンポジウムや講演会も定期的に開催され、著名な講演者を招くこともあります。例として、ジェーン・グドール博士や大江健三郎氏が特別講演を行ったことがあります。特に、2007年からは東アジア子ども学交流プログラムをスタートし、積極的に地域内での学術交流を進めています。

今後の展望

これからもCRNは、子どもたちに関連するさまざまな問題に対して解決の糸口を探り続けるとともに、国際的な研究協力を促進し、子どもの健全な成長に寄与していくことを目指しています。

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