チャールズ・クミ・ジャムフィ

チャールズ・クミ・ジャムフィ：ガーナサッカー界の伝説

チャールズ・クミ・ジャムフィ（Charles Kumi Gyamfi、1929年12月4日 - 2015年9月2日）は、ガーナ・アクラ出身のサッカー選手、そして卓越したサッカー指導者です。彼はCKジャムフィ、ナナ・クミ・ジャムフィとしても広く知られています。

選手としてのキャリア

1929年、ジャムフィはオコラシの部族長の息子として生を受けました。1944年、15歳でアクラ・ロイヤル・スクールに入学。サッカーの才能が認められ、入学が許可されたというエピソードがあります。1947年に学校を卒業後、コフォリドゥアで働き始め、1948年には地元クラブのセイラーズFCに加入。その後、ケープ・コースト・ミステリアス・ドワーフスを経て、1949年にはクマシへと移り、ガーナ最大のクラブの一つであるアサンテ・コトコでプレーしました。

1950年、ジャムフィはゴールドコースト代表（後のガーナ代表）として初のキャップを獲得。1951年のイングランドおよびアイルランド遠征では、チーム全体の25ゴールのうち11ゴールをあげる活躍を見せました。当時、ガーナ人選手は裸足でプレーしていましたが、ジャムフィはこの遠征から帰国後、サッカーシューズを履く文化を母国に広めたパイオニアの一人となりました。1953年のジャルコ・カップ決勝では、彼のゴールが決勝点となり、ゴールドコースト代表がナイジェリア代表を1-0で下し優勝を果たしました。

1954年にコトコを退団後、新たに発足したクマシ・グレート・アシャンティズに加入。1956年にはアクラに戻り、ハーツ・オブ・オークでプレーしました。

アクラで行われたハーツ・オブ・オーク対フォルトゥナ・デュッセルドルフの試合での活躍が認められ、1960年にフォルトゥナ・デュッセルドルフに移籍。彼はドイツでプレーする最初のアフリカ人選手となりました。デビュー戦でゴールを決め、「雷」 (Tunda Vita) というニックネームを得ましたが、母国で指導者となることを選んだため、ドイツでのプロ生活は短期間で終わりました。

指導者としての輝かしい功績

1961年、ガーナ代表のスタッフに加わるため、現役を引退。ドイツではプロサッカー選手としてプレーする傍ら、ドイツ体育大学ケルンで指導者としての教育も受けていました。ガーナの初代大統領クワメ・エンクルマは、アフリカ統一のためサッカーを利用する構想を持ち、それまでヨーロッパ人が務めていたガーナ代表監督のポストに自国の人材を登用することを望んでいました。

ジャムフィは、スウェーデン人のアンドレアス・ショールベリ、ハンガリー人のエンベル・ヨーゼフのアシスタントコーチを経て、監督に就任。ガーナ代表初の黒人監督となりました。当初は選手兼任でしたが、徐々に監督業に専念するようになりました。

ジャムフィ率いるガーナ代表は、1962年10月にウガンダ独立記念のウフル・カップで優勝。1963年3月には西アフリカ・ゴールドカップも制覇しました。そして、自国開催となった1963年アフリカネイションズカップでは、決勝でスーダンを3-0で下し、初優勝を飾りました。この大会で黒人監督はジャムフィただ一人でした。1965年アフリカネイションズカップでは、開催国のチュニジアを延長戦の末に破り、大会連覇を達成しました。

1972年には、ブラジルで開催されたタッサ・インデペンデンシアにおいて、[アフリカサッカー連盟]からアフリカ選抜の監督に任命されました。

1982年アフリカネイションズカップを前に、再びガーナ代表監督に就任。決勝では開催国のリビアをPK戦の末に下し、ガーナにとって4度目、ジャムフィにとって3度目のアフリカネイションズカップ優勝を果たしました。これは、エジプトのハッサン・シェハタと並び、アフリカネイションズカップにおける最多優勝監督記録です。

その後は、ソマリアのミュニシパル・クラブとU-21ソマリア代表、ケニアのAFCレパーズ、ガーナのアシャンティ・ゴールドで監督を務め、ケニアではリーグタイトルを獲得しました。1992年アフリカネイションズカップでは、ドイツ人のブルクハルト・ツィーゼがガーナ代表監督に選ばれ、ジャムフィは見送られました。

1994年にはCAFテクニカル・インストラクターに任命され、1998年から2002年まではFIFA技術委員会の一員を務めました。2001年には、アフリカ U-17選手権のホスト国チームとなったU-17セーシェル代表のテクニカルディレクターを務めました。

引退後

1999年には、オコラシの部族長に即位し、ナナ・ジャムフィ・クミ1世と改名。妻のヴァレリー・クォーティ・ジャムフィは、テニスの元代表選手です。

2008年1月には、サッカーに対する愛情よりも金銭に執着する現代の選手たちについて、公に憂慮を示しました。2011年、BBCはジャムフィを選手から監督に転身したアフリカ人5傑の一人に選びました。

2015年、アクラにて85歳でその生涯を閉じました。

チャールズ・クミ・ジャムフィは、ガーナサッカー界における真のレジェンドとして、その名と功績は永遠に語り継がれるでしょう。

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