チャールズ・バベッジ研究所

チャールズ・バベッジ研究所（CBI）の概要

チャールズ・バベッジ研究所（Charles Babbage Institute、CBI）は、アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスに位置するミネソタ大学内の研究機関で、情報技術史に特化しています。特に1935年以降のデジタルコンピュータ、プログラミングやソフトウェア、コンピュータネットワークに関する研究が行われています。この機関は、19世紀のイギリスにおいてプログラム可能なコンピュータ「解析機関」を発明した、チャールズ・バベッジの名前に由来しています。

CBIの活動

CBIは、古今の重要な歴史資料を紙媒体や電子媒体で収集し、保管しています。研究成果の出版や国際的な研究促進に寄与することも見逃せない活動として挙げられます。また、情報技術史に関する研究の推進にも注力し、大学院生向けの奨学金制度や研究のための旅費支援を行っています。さらに、学会やワークショップを開催するほか、公的なプロジェクトにも積極的に参加しています。

また、CBIは情報センターとしての役割も果たしており、専門的な情報を提供しています。特筆すべきは、約400件のオーラル・ヒストリーインタビューコレクションです。これは、この分野における重要な先駆者たちからの聴き取りを収集したもので、過去のコンピュータ開発に関する貴重な資料とされています。ある研究者は、このコレクションを「コンピューティングの歴史を学ぶ者にとって極めて貴重な資料」と評価しています。CBIの多くのオーラル・ヒストリーは文章形式に書き起こされ、オンラインで幅広く公開されています。

さらに、収集された資料にはさまざまな種類の手書き文書や職能団体の記録、企業の記録（バロースやコントロール・データのようなもの）や業界誌、古代システムのマニュアルやパンフレット、さらには写真や映像など、一貫して重要な情報が含まれています。

研究資料と組織

CBIでは、特定の組織に関する資料を多岐にわたって保管し、研究用途に提供しています。また、コンピュータ関連の著名な研究者が執筆した論文集の収集も行い、これらも研究者にとって貴重な資料となっています。

歴史

CBIの起源は1978年にさかのぼり、Erwin Tomashが設立した国際チャールズ・バベッジ協会がその始まりです。当初、カリフォルニア州パロアルトを拠点としていました。1979年には、米国情報処理学会連合会 (AFIPS) の後援を受けて「チャールズ・バベッジ研究所」と改称。その1年後にミネソタ大学との契約が結ばれ、CBIは同大学に移転しました。そして1989年には、ミネソタ大学の研究部門として正式に組み入れられました。

出版物

CBIは数多くの出版物を発行しており、いくつかの代表的な案内書や目録が挙げられます。例えば、コンピュータ史における重要な意義を持つ文献や研究が、CBIによって発行されています。加えて、CBIスタッフの執筆による刊行物リストも用意されています。

CBIは、その設立以来、情報技術史の研究と資料の保存・普及に尽力しており、将来的にもその役割はますます重要になると期待されています。

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