チャールズ・ポンジ

チャールズ・ポンジの生涯

チャールズ・ポンジ（本名：カルロ・ピエトロ・ジョヴァンニ・グリュエルモ・テバルド・ポンツィ）は、1882年にイタリアのルーゴで生まれました。21歳になった1903年、彼はアメリカに移民として渡り、ボストンで新たな生活を始めました。始めのころはレストランで皿洗いやウェイターをしながら英語を学ぶ日々が続きましたが、早くも彼の運は波乱の連続でした。

彼は、ニューヨークのレストランで釣銭を誤魔化したため、逮捕されるという記録が残っています。その後、カナダのモントリオールに移り住むも、偽造小切手の詐欺で再度逮捕され、3年間を刑務所で過ごしました。この時期から、彼の詐欺師としての道が始まるのです。

投資会社の設立とポンジ・スキームの誕生

1918年、ポンジはボストンでローズ・ニェッコと結婚し、彼の義父の食料品輸出入の事業を引き継ぎますが、うまくいかずに会社は崩壊してしまいます。失敗を重ねる中、彼は国際返信切手券という制度に目をつけ、設立した投資会社セキュリティ・エクスチェンジ・カンパニー（SEC）を通じて投資家を募ることになります。彼の計画は、切手の交換レートに差があることを利用し、短期間で高利回りを提供すると主張するものでした。

ポンジは外国の切手券を安く仕入れ、高く売ることで利益を得られると説明し、多くの投資家を引きつけました。第一次世界大戦後のアメリカ経済が活況を呈していたことも後押しとなり、彼の詐欺は急速に拡大。短期間で350万ドルの現金を集めていきました。

偽りの繁栄と崩壊

しかし、実際には彼は従来の投資を行っておらず、集めたお金を新たな投資家への利益の返済や自身の豪華な生活に充てていました。1920年7月24日、ボストンポスト紙には「三ヶ月で倍に」という見出しがあり、ポンジの計画を賞賛する声が多く紹介されましたが、実情は詐欺そのものでした。

その後、SECへの疑念が高まり、特に事務用品のレンタル会社の経営者が奇妙な点を指摘したことで、ポンジに対する調査が始まります。恐れを抱いた彼の部下が資金を持ち逃げする事態が発生。1920年8月には、国際返信切手券の取引の実態が暴露され、ポンジは窮地に追い込まれました。

詐欺の告発とその後

ポンジは最終的に詐欺容疑で告発され、連邦刑務所に収容されることになります。仮釈放後も彼は詐欺の道を続け、1934年にフロリダ州で再び不動産詐欺を働いたため、アメリカ市民権を剥奪され、イタリアに強制送還されました。彼の晩年は厳しいものであり、1949年1月18日にはブラジルの慈善病院でその生涯を終えました。

ポンジの名前は、彼の詐欺的な手法が広まったことで「ポンジ・スキーム」として現在でも知られています。その巧妙な手口は、投資詐欺の象徴として歴史に名を残しています。

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