チョコレート・ガール バッド・アス!!

『チョコレート・ガール バッド・アス!!』：ジージャー・ヤーニンの新たな魅力が光るアクションコメディ

2013年、日本公開された映画『チョコレート・ガール バッド・アス!!』（原題：This Girl Is BAD ASS!!）は、2011年にタイで公開された『จั๊กกะแหล๋น』（Jukkalan）のインターナショナル版です。これまでに数々のアクション映画で観客を魅了してきたジージャー・ヤーニン主演の第3作目であり、彼女の新たな魅力が詰まったアクションコメディとして注目を集めました。

本作は、単なるアクション映画に留まらず、女優ジージャー・ヤーニンの多面性を際立たせる演出がなされています。監督のペットターイ・ウォンカムラオは、インタビューで「ジージャーがこれまで出演した映画はアクションだけだったので、彼女の別の一面を見せたかったんです」と語っており、アクションだけでなく、コメディ要素や人間ドラマにも重きが置かれた作品となっています。

ストーリーは、両親を亡くし叔父に育てられたジャッカレンが、表向きは配送業を営むメッセンジャーオフィスで働くことから始まります。しかし、その裏ではギャングの荷物を運ぶ危険な仕事も請け負っており、ジャッカレンは両親を探すためのお金を稼ぐために、この危険な仕事に身を投じています。

彼女は時に大胆にもギャングの荷物を横領するなど、生き抜くため、そして両親を探すために行動します。しかし、その行為がボスであるピアックにバレてしまい、7日以内に横領した荷物を全て回収するよう命じられます。

ジャッカレンは、命がけで荷物の回収に奔走しますが、事態は思わぬ方向へ進展します。ピアックの荷物が、別のボスであるセンの手に渡っており、三つ巴の争いが勃発。ジャッカレンは、ピアック、セン、そして自分自身の思惑が複雑に絡み合う抗争の中心に巻き込まれていくのです。

自転車を使ったアクションシーンも見どころの一つです。メッセンジャーという設定を活かし、スリリングなアクションとコミカルな演出が融合した、ジージャー・ヤーニンの新たな魅力が堪能できる作品となっています。

キャスト陣もタイ映画界を代表する実力派俳優たちが集結。ジージャー・ヤーニン演じるジャッカレンをはじめ、叔父ワン役のペットターイ・ウォンカムラオ、メッセンジャーオフィスの同僚ルン役のアコム・ブリーダクンなど、個性豊かなキャラクターたちがストーリーを盛り上げます。

『チョコレート・ファイター』で一躍スターダムにのし上がったジージャー・ヤーニンですが、本作ではアクションだけでなく、彼女の繊細な演技にも注目です。両親を探すという切実な思いと、危険な仕事に巻き込まれていく葛藤、そして時に見せるコミカルな表情など、多様な感情表現が、彼女の演技力の高さを改めて示しています。

『チョコレート・ガール バッド・アス!!』は、アクション、コメディ、そして人間ドラマが絶妙にブレンドされた、エンターテインメント性と奥深さを兼ね備えた作品です。タイ映画特有の独特な雰囲気と、ジージャー・ヤーニンの魅力が存分に発揮された本作は、アクション映画ファンのみならず、幅広い観客を魅了するでしょう。 インターナショナル版であるため、タイ人にしか理解できない要素は省かれていますが、それでも十分に楽しめる作品に仕上がっています。タイ映画に興味のある方はもちろん、ジージャー・ヤーニンのファンにも強くおすすめしたい一作です。

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