チョン・ドンファン

チョン・ドンファン：演劇への情熱と波乱に満ちた人生

チョン・ドンファン（鄭東煥）は、1949年8月5日、韓国全羅北道金堤市で生まれた俳優です。経済的に恵まれない家庭環境で育ちましたが、演劇への強い情熱を持ち、数々の困難を乗り越えて韓国演劇界を代表する俳優の一人となりました。

貧しい家庭環境から演劇への道へ

幼少期、チョン・ドンファンは母親の行商の手助けをしながら育ちました。母親は彼に神学校への進学を望んでいましたが、高校受験の失敗をきっかけに、偶然目にした演劇公演に感銘を受け、ソウルの中東高等学校に進学、演劇部に入部します。1年生の頃から舞台に立ち、1965年には『日の出』で全国男女演劇コンテスト最優秀演技賞を受賞するなど、早くから才能を発揮しました。

挫折と挑戦の連続

大学受験に失敗したチョン・ドンファンは、演劇コンテストで知り合った劇作家、柳致真の助言を受け、ソウル演劇学校（現ソウル芸術大学）に進学します。在学中は舞台活動に励む一方、ベトナム戦争に従軍する経験も積みました。卒業後は声優としてTBCに入社しますが、演劇との両立に悩み、1年で退社。その後は沖縄でサトウキビ畑での労働をしながら、韓国で舞台に立つという生活を送ります。

ミュージカルへの挑戦とスキャンダル

1977年、劇団現代劇場に入団し、ミュージカル『パダム・パダム・パダム』に出演。1978年にはKBSドラマ『鵞鳥』に出演し、新人演技賞を受賞。1981年には映画『晩秋』で映画界にデビューを果たします。しかし、1982年には女優とのスキャンダルによりKBSから無期限の出演停止処分を受け、アメリカに渡り、清掃の仕事をしながらいっぽうリー・ストラスバーグ演劇学校で演技を学びます。アメリカ滞在中、歌手チョン・ユンソンと出会い、1986年に結婚しました。

芸能活動再開と数々の受賞

1984年に出演停止処分が解除され、韓国に戻ったチョン・ドンファンは、精力的に活動を再開。1993年には『オーロラのために』で百想芸術大賞最優秀演技賞を受賞するなど、数々の賞を受賞し、韓国演劇界に大きな足跡を残しました。2007年にはパニック障害を発症しますが、克服し、2013年にはSBSの教養番組『よく食べ、よく生きる法』の司会を務めるなど、幅広い活躍を見せました。

家族との生活

妻のチョン・ユンソンは、結婚後は主婦業に専念していましたが、2013年に歌手として活動を再開。チョン・ドンファン夫妻には一男二女がおり、長男と長女は2013年に『よく食べ、よく生きる法』に出演しました。


結語

チョン・ドンファンの生涯は、貧困、挫折、スキャンダルなど、数々の困難に満ちたものでしたが、彼は持ち前の強い意志と演劇への情熱でそれらを乗り越え、韓国演劇界に大きな貢献をしました。彼の波乱に満ちた人生は、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。彼の今後の活躍にも期待が高まります。

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