チーム・LCR

LCRホンダチーム：MotoGPを舞台に活躍するレーシングチーム

LCRホンダチームは、ロードレース世界選手権MotoGPクラスに参戦する、イタリアを拠点とするレーシングチームです。1996年、元GPライダーであるルーチョ・チェッキネロによって設立されました。チーム名は設立者のイニシャルから取られています。現在では、LCRホンダ・イデミツとLCRホンダ・カストロールの2チーム体制でMotoGPクラスに参戦しています。

チーム創設と125ccクラスでの活躍

チーム設立当初は、チェッキネロ自身も125ccクラスにライダーとして参戦していました。1996年と1997年は単独体制でしたが、トップ10フィニッシュを幾度も記録するなど、存在感を示しました。1998年には日本のトップライダー、上田昇選手が加入。上田選手はマレーシアGPでチーム初優勝をもたらし、チェッキネロ選手自身もマドリードGPで初優勝を飾りました。その後も、上田選手とチェッキネロ選手の強力なタッグで数々の好成績を残し、125ccクラスで着実にチームの実力を高めていきました。2001年にはアプリリアへマシンを変更。チェッキネロ選手はカタルニアGPでアプリリアでの初優勝を達成し、シリーズ総合4位という好成績を残しました。また、2002年には250ccクラスへも参戦を拡大しています。

250ccクラスへの参戦拡大とMotoGPクラスへの挑戦

250ccクラス参戦初期は、ケーシー・ストーナーやダビド・チェカといった若手有望株がライダーとして活躍しました。ストーナー選手は後のMotoGPチャンピオン、ランディ・ド・プニエ選手とチームメイトになるなど、LCRチームは多くの才能を発掘し育成してきた歴史があります。2003年には、チェッキネロ選手がライダーを引退し、チーム運営に専念しました。2004年には、ド・プニエ選手が250ccクラスでシリーズ3位に入賞。翌2005年には、ストーナー選手がシリーズ2位を獲得。この年はチーム史上最高位となり、チームの大きな飛躍となりました。この実績を元に、2006年、LCRチームはストーナー選手と共に、最高峰MotoGPクラスへの参戦を果たしました。デビューイヤーでシリーズ8位という結果を残し、その存在を世界に示しました。

MotoGPクラスでの戦い

MotoGPクラスでは、当初はホンダのマシンを使用し、ミシュランタイヤを装着。ストーナー選手の後には、カルロス・チェカ選手、ランディ・ド・プニエ選手らベテランライダーがチームに加入し、世界最高峰の舞台で戦い続けました。タイヤ供給がブリヂストンに一本化された後は、ド・プニエ選手がイギリスGPで表彰台を獲得するなど、着実に結果を残しています。2010年代以降は、カル・クラッチロー選手、ジャック・ミラー選手、そして中上貴晶選手といったライダーたちがチームに所属。クラッチロー選手はチェコGPとオーストラリアGPで優勝を飾るなど、MotoGPクラスでも優勝争いに絡む活躍をしています。中上選手は、日本のファンにとって大きな期待の星であり、チームの顔として活躍しています。2021年からは、アレックス・マルケス選手がチームに加わり、更なる戦力強化を図っています。2024年にはヨハン・ザルコ選手が5年ぶりにチームへ復帰することとなり、中上選手と共にチームを牽引する存在として期待されています。2025年には、中上選手がホンダのテストライダーに就任することが発表されており、その後任としてソムキアット・チャントラ選手がトップクラスデビューを果たす予定です。

まとめ

LCRホンダチームは、125ccクラスからMotoGPクラスまで、長年に渡り世界選手権で戦い続けている実績のあるチームです。若手ライダーの育成から、トップライダーとの優勝争いまで、様々な経験を積み重ね、常に進化を続けています。日本のライダーも数多く所属し、日本のファンからも大きな支持を得ています。今後のLCRホンダチームの活躍に、目が離せません。

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