ツァスタバ CZ99

ツァスタバ CZ99：旧ユーゴスラビアが生んだ自動式拳銃

ツァスタバ CZ99は、旧ユーゴスラビア（現セルビア）のツァスタバ・アームズ社が開発した軍用自動式拳銃です。その設計は、SIG/SAUER P226の影響を強く受けていますが、独自の改良も加えられています。

設計と特徴

CZ99のフレームはアルミ系の軽合金、スライドとバレルはスチールで作られています。作動方式はティルトバレル式のショートリコイル、撃発機構はハンマー露出型のダブルアクション方式を採用しています。安全機構としては、マニュアルセフティは装備されていませんが、ファイアリングピンセフティと、グリップ上部の左右に配置されたスライドストップを兼ねるデコッキングレバーを備えています。また、薬室に弾薬が装填されているかを確認できるローディングインジケーターも搭載されています。

採用と展開

CZ99は、制式拳銃として採用された他、輸出も行われました。また、イスラエルと南アフリカでは、短期間コピー品が製造されたこともあります。現在、CZ99及びCZ999シリーズの生産は、ピカティニー・レールを備えた改良モデルであるEZシリーズに移行しつつあります。ツァスタバ・アームズ社の製品リストには、2024年時点でCZ99シリーズの記載はなく、EZシリーズとCZ999シリーズが掲載されています。

派生型

CZ99には、いくつかの派生型が存在します。

CZ99S: CZ99のスライド後部にマニュアルセフティを追加したモデルです。
CZ999: CZ99のフレーム後端形状などを変更した改良モデルです。初期にはトリガー機構をコンベンショナル・ダブルアクションとダブルアクションオンリーから選択できる切換レバーを搭載したバージョンも存在しましたが、現行モデルからは削除されています。装弾数は10/15発、全長198mm、銃身長108mm、重量940gです。
CZ999コンパクト: CZ999のコンパクトモデルです。装弾数は10/15発、全長188mm、銃身長98mm、重量900gです。
EZ9/EZ40: CZ999をベースに、リングハンマーとピカティニー・レールを備えた改良モデルです。数字は口径を示しており、9x19mmと.40S&Wのバリエーションがあります。装弾数は9x19mm版が10/15発、.40S&W版が11発、全長198mm、銃身長108mm、重量950gです。
EZ9/EZ40コンパクト: EZ9/EZ40のコンパクトモデルです。装弾数は9x19mm版が10/15発、.40S&W版が11発、全長188mm、銃身長98mm、重量900gです。
トップ20: CZ99をベースに、バレルを延長した射撃競技用モデルです。

運用国

モンテネグロ - CZ99
セルビア - CZ99

関連項目

拳銃
自動式拳銃
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