ツァスタバ M77

ツァスタバ M77：詳細解説

ツァスタバ M77は、ユーゴスラビア（現セルビア）のツァスタバ・アームズによって開発された、7.62x51mm NATO弾を使用する軽機関銃です。これは、AK-47をベースとしたM70の軽機関銃バージョンであるM72の弾薬変更モデルにあたります。M70の設計を基盤としつつ、より強力な弾薬を使用するために改良が加えられています。

構成

M77は、M70と同様に木製の固定銃床と黒色のプラスチック製グリップを備えています。レシーバーはM70と大きな変更点はありませんが、ハンドガードはM72と同様の2つ穴の肉厚木製ハンドガードが採用されています。銃身には、ハンドガード前端からガスブロックまでの間に放熱リブが設けられており、連続射撃時の過熱を抑制し、射撃可能時間を延長する役割を果たします。スリングスイベルの位置はレシーバー左側後端とM72と同様ですが、取り付け方法が異なり、円形のパーツを介して装着されています。フロントサイトの手前には、M72と同様に展開式の二脚が装備されています。また、M72にはなかったキャリングハンドルがフロントトラニオンの右側面付近に取り付けられているのが特徴です。

一部のモデルでは、レシーバー左側面にサイドレールが備えられており、対応する照準器やマウントを取り付けることが可能です。マガジンは、独自に開発された金属製の20連ストレートマガジンを使用します。付属品として、銃剣とその鞘、空砲用アダプター、清掃器具、クリーニングロッド、整備用オイル、スリング、そして4つのマガジンが含まれています。

派生型

M77B1

M77の自動小銃（バトルライフル）仕様です。銃身長は変更されていませんが、自動小銃仕様に合わせてガスチューブの長さが変更され、放熱リブは削除されています。ハンドガードもM70と同様の3つ穴木製ハンドガードに変更されています。レシーバーは切削加工製造とプレス加工製造の2種類があり、ライフルグレネード投射用の照準器を兼ねるガス遮断機の有無による仕様の違いも存在します。

M77AB1

M77B1の折りたたみ式銃床仕様です。M70AB2と同様のアンダーフォールディング銃床が取り付けられています。

M05N1

M77B1の近代化モデルです。上下にピカティニーレールを備えたハンドガードに変更され、レシーバーカバー上部にもピカティニーレールが追加されています。グリップの形状も変更され、銃床は右側に折りたためるプラスチック製のものに変更されています。

PAP M77

ツァスタバアームズUSAが製造するM77B1のセミオート限定のアメリカ民間向け仕様です。ハンドガードとグリップは灰色のポリマーで構成され、レシーバー左側面にはサイドレールが追加されており、対応する照準器を取り付けることができます。銃口にはAKMと同様の竹槍型マズルブレーキが装着されており、銃床は木製固定銃床ではなく、ポリマー製の上下調整可能なチークパッドを備えた伸縮調整可能な銃床を備えています。銃床、グリップ、ハンドガードは木製のものに変更可能で、通常、ダークメープル、ライトメープル、レッド、ウォールナットの5種類が存在します。また、上部ハンドガードは金属製のものも存在し、取り付けが可能です。

PAP M77PS

PAP M77の銃床を、銃床とグリップが一体化したサムホール銃床に変更したモデルです。

脚注

出典
Modern Firearms - Zastava M77
Zastava Arms USA

関連項目

M70
M72
AK/AKM
* RPK

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