ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間

映画『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』について

1992年に公開されたアメリカとフランスの合作映画『ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間』は、デヴィッド・リンチ監督による、カルト的人気を誇るテレビドラマシリーズ『ツイン・ピークス』の劇場版です。

作品の背景

1990年から1991年にかけて放送されたテレビドラマ『ツイン・ピークス』は、全30話で世界的な人気を博しました。その熱狂の中で、劇場版として製作されたのが本作です。ドラマ版では描かれなかったローラ・パーマーの死の真相に迫り、彼女の最後の7日間を描くことで、ドラマ版の前日譚としての役割も担っています。

あらすじ

物語は、ワシントン州の田舎町ディア・メドウで、テレサ・バンクスという少女が殺害される事件から始まります。FBI特別捜査官のチェスター・デズモンドは、この事件の捜査に当たりますが、謎の失踪を遂げます。その後、捜査を引き継いだデイル・クーパー特別捜査官は、事件の再発を予感します。

それから1年後、隣町のツイン・ピークスで、17歳になったローラ・パーマーは、美貌とは裏腹に、コカインに依存し、複数の異性と関係を持つという荒んだ生活を送っていました。彼女の心の葛藤は、秘密の日記帳に綴られていましたが、その日記の一部が何者かに破り取られる事件が起こります。ローラは、12歳の時から彼女につきまとう謎の人物“ボブ”の仕業だと直感します。

主な登場人物

テレサ・バンクス：ディア・メドウの住人。17歳で殺害される。死体はプラスチックシートで梱包され、左手の薬指に“T”の印字された紙片が挿入されていた。
チェスター・“チェット”・デズモンド：FBI特別捜査官。テレサ・バンクスの事件を捜査中に失踪する。
サム・スタンリー：FBIの鑑識員。デズモンドの捜査をサポートする。
フィリップ・ジェフリーズ：FBI特別捜査官。失踪後、支離滅裂な言動をしながら帰還する。 “ジュディ”という存在について語る。
カール・ロッド：トレーラーパークの管理人。テレサ・バンクスの関係者。

用語

ガルモンボジーア： “別の場所から来た男”が“痛みと悲しみ”と定義する、クリームコーン状の存在。摂取すると毒性がある。

製作の背景

テレビドラマ版の打ち切り後、デヴィッド・リンチ監督は、ローラ・パーマーへの愛着から映画化を決意。フランスの映画会社との契約を経て製作が開始されました。しかし、キャスティングの問題や、撮影後の編集作業で上映時間が5時間にも及ぶなど、様々な困難がありました。最終的に、2時間15分の上映時間に短縮されましたが、多くの登場人物の出番がカットされることになりました。

削除場面について

映画の削除場面は、長らく公開されていませんでしたが、2014年にBlu-rayボックスセット『ツイン・ピークス　完全なる謎』の特典映像として、1時間30分の作品に再編集され公開されました。また、2017年には、WOWOWプライムで『ツイン・ピークス　もうひとつのローラ・パーマー最期の7日間』として無料放送されました。

関連商品

書籍

ツイン・ピークス　ローラの日記：ローラ・パーマーの日記を元にした書籍。
ツイン・ピークス　クーパーは語る：デイル・クーパーの録音テープの内容をまとめた書籍。
ツイン・ピークス　シークレット・ヒストリー：ツイン・ピークスの歴史を詳述した書籍。
ツイン・ピークス　ファイナル・ドキュメント：事件関係者の追跡調査をまとめた書籍。

CD

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間　オリジナル・サウンドトラック：映画のサウンドトラック。

DVD/Blu-ray

数々のバージョンが発売されており、中には映像特典や4Kリストア版なども存在する。

脚注

参考文献

『映画作家が自身を語る デイヴィッド・リンチ』

外部リンク

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間 - allcinema
ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間 - KINENOTE
ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間 - オールムービー（英語）
* ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間 - IMDb（英語）

この作品は、デヴィッド・リンチ監督の独特な世界観と、複雑に入り組んだストーリー展開が特徴で、公開から30年以上経った今でも、多くのファンを魅了し続けています。

もう一度検索