ツパマロス

ツパマロス：ウルグアイの都市ゲリラから合法政党へ

ツパマロス（Tupamaros）は、1960年代から1970年代初頭にかけてウルグアイで活動した極左武装組織です。その名は、ペルーの反乱指導者トゥパク・アマル2世に由来しますが、直接的にはウルグアイ独立の英雄、ホセ・アルティーガスの解放軍を指します。彼らは南米最強の都市ゲリラとして知られました。

結成と初期の活動

1962年、ラウル・センディックら20名の社会主義者によって結成されたツパマロスは、チェ・ゲバラの影響を受け、武力による社会主義革命を目指しました。センディックは労働運動の指導者として、砂糖黍労働者の窮状を訴えましたが、平和的な手段の限界を感じ、武力闘争へと傾倒していきます。1963年、射撃クラブを襲撃して武器を奪い、政府機関や外国企業への襲撃、要人の誘拐などを実行しました。

大衆の支持と過激化

1960年代のウルグアイは深刻な経済危機にあり、ツパマロスの体制批判は大衆の共感を呼びました。彼らは義賊とも呼ばれましたが、1971年の大統領選挙で左翼政党「拡大戦線」が敗北すると、その活動はエスカレート。警察拠点の襲撃や無線機強奪など、過激な行動を繰り返しました。

内戦状態と壊滅

1972年、軍内部の秘密組織「死の中隊」による軍人暗殺事件をきっかけに、ウルグアイは内戦状態に陥ります。ボルダベリー大統領は軍と警察を動員してツパマロス壊滅を図り、センディックら多数のメンバーが逮捕され、組織は壊滅的な打撃を受けました。しかし、逮捕者の中にはゲリラとは無関係の労働組合員や拡大戦線の党員、一般市民も含まれており、軍部の力が強大化する要因となりました。

民政移管と合法政党へ

1985年の民政移管後、ツパマロスのメンバーは釈放され、組織はテロを放棄して合法政党となり、拡大戦線に合流しました。かつて武力闘争を繰り広げたゲリラ組織が、民主的な政治プロセスに参加するようになったのです。

関連作品と人物

戒厳令: コスタ＝ガヴラス監督の映画。アジェンデ政権下のチリで撮影され、ツパマロスとウルグアイ軍の対決を描いています。
ホセ・ムヒカ: 元ツパマロスメンバーで、ウルグアイの第40代大統領を務めました。

外部リンク

Tupamaros (Official Site)
Broad Front Coalition (Official Site)
* List of attacks (in Spanish)

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