ツルラン

ツルラン（鶴蘭）の概要

ツルラン、またの名をカラン（学名：Calanthe triplicata）は、ラン科エビネ属に属する多年生の地生ランで、日本国内では主に九州南部から南西諸島に分布しています。この植物は環境省及び沖縄県により絶滅危惧II類（VU）に指定されており、その数は急速に減少しています。

特徴

ツルランは高さが40センチメートルから80センチメートルに成長し、特徴的な大型の葉が際立っています。葉の形状は倒卵状長楕円形で、長さは20センチメートルから80センチメートル、幅は8センチメートルから15センチメートルです。葉の先端は尖っており、脚部は徐々に狭くなり、10センチメートルほどの葉柄につながっています。葉の間にはいくつかの葉状鱗片が見られ、そこから数本の花茎が伸びてきます。花茎には約10センチメートルの総状花序があり、白色の花が咲きます。特に唇弁は大きく裂けており、その基部には目を引く黄～赤色の3条の隆起があります。この美しい花は日本では6月から10月にかけて見ることができます。

分布と生育環境

ツルランは豊かな常緑広葉樹林の下に生育しており、台湾や中国南部、さらに亜熱帯や熱帯アジア、オセアニアなどにも広がった分布を見せています。しかし、かつては比較的見かけることの多い種であったものの、近年は求められる乱獲の結果として個体数が激減し、今ではほとんど見かけることがなくなってしまいました。

このような状況を受けて、ツルランの保護に向けた取り組みが進められており、自然環境の保全が亜熱帯地域の植物学的な多様性を維持するために重要であるとされています。

参考文献

本植物についての詳細な情報は、以下の文献にて確認できます。

• - 池原直樹著『沖縄植物野外活用図鑑』新星図書出版（1979年）
• - 石田源次郎編著『朝日百科 植物の世界 第9巻』朝日新聞社（1997年）
• - 横田昌嗣他編『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 第3版』沖縄県（2018年）

これらのリソースから、ツルランの生態やその背景についてさらに深く知ることができるでしょう。

外部リンク

• - ツルラン（鶴蘭） 四季の山野草
• - ツルラン 植物園の仲間たち 東山動植物園
• - ツルラン（鶴蘭） うちなー通信
• - ツルラン（鶴蘭） 山からの贈り物
• - ツルラン（ラン科） 植物データベース 高知県立牧野植物園
• - ツルラン GKZ植物事典
• - ツルラン ふるさと種子島

ツルランは、その美しい花と独特な特徴から、観賞用や研究対象としても注目されている植物です。しかし、その絶滅危惧の状況を理解し保護活動を進めることが今後の課題と言えるでしょう。

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