ツー・コップス

ツー・コップス

『ツー・コップス』（原題：투캅스）は、1993年に公開された韓国映画で、悪徳刑事の物語を描いたブラック・コメディです。この作品は、韓国の警察権力の不正腐敗という現実を笑いに変え、観客に尖った視点を提供します。この映画は、新宿シネパトスで開催されたアジア・ミッドナイトエキスプレスで特別上映され、大きな反響を呼びました。

ストーリー概要

今作の中心となるのはチョ刑事。彼は平穏に生活する市民から賄賂を取り放題の腐敗した刑事です。そんな彼のもとに、新しいパートナー、カン刑事が配属されます。カン刑事は警察学校を首席で卒業した優秀な新人ですが、彼は規則を守り、不正に対しては一切妥協しない姿勢を持っています。

新たなパートナーの登場によって、チョ刑事は自身の楽な立場が脅かされるのではないかと不安を抱きます。そこでチョは、カンを自分の堕落した世界に引き込むことを決意します。彼の計画は次第に功を奏し、カンはチョの期待を上回る悪徳ぶりを発揮し、ついには麻薬取引に関与するまでになります。こうして思わぬ形で昇進を果たしたチョ刑事ですが、ある日、スウォンという女性が警察署を訪れ、正体不明の暴漢に脅迫されていると訴えます。この出来事は、二人の刑事の運命を大きく変えることになるのです。

キャスト

本作のキャストには特に注目が集まりました。チョ刑事役にはアン・ソンギが、カン刑事役にはパク・チュンフンが配されています。また、スウォン役にはチ・スウォンが登場し、その他にも多くの実力派俳優が名を連ねています。チョ刑事の妻役にはキム・ヘオク、署長役にはシム・ヤンホンが演じています。

スタッフ

この映画はカン・ウソクが製作及び監督を担当しました。脚本はキム・ソンホンが手掛け、音楽はチェ・ギョンシクが担当。主題歌はチェ・ギュソンによる「パートナー」が使用されています。また、撮影監督にはチョン・グァンソク、美術にはチョ・ユンサムが参加しており、作品全体のクオリティを高めています。

受賞歴

『ツー・コップス』は、その人気や評価が高く、いくつかの賞を受賞しています。1994年の第32回大鐘賞では、男優主演賞をアン・ソンギとパク・チュンフンが受賞しました。また、青龍映画賞でも最多観客動員賞を獲得し、百想芸術大賞では大賞や作品賞が選ばれるなど、2019年、24年経った今もなお名作として語り継がれています。

この映画は単なるコメディにとどまらず、警察の不正や腐敗への鋭い批判を含んでおり、見応えのある作品となっています。観る人に笑いを提供する一方で、深いメッセージを伝えるバランスの良さが魅力です。

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