ティナ・ブルックス

ティナ・ブルックス（Tina Brooks、1932年6月7日 - 1974年8月13日）は、アメリカのハード・バップ・ジャズ・シーンで独自の地位を築いたテナー・サックス奏者です。本名はハロルド・フロイド・ブルックス（Harold Floyd Brooks）。

ノースカロライナ州ファイエットビルで生まれたブルックスは、1944年に家族とともにニューヨークへ移住。そこでサックスを学び始めました。1951年には、リズム・アンド・ブルースのピアニスト、ソニー・トンプソンとの共演をきっかけにプロとしてのキャリアをスタートさせ、1955年にはヴィブラフォン奏者のライオネル・ハンプトンとも共演するなど、着実にその才能を開花させていきました。

トランペット奏者で作曲家のリトル・ベニー・ハリスとの出会いは、ブルックスにとって大きな転機となります。ハリスの尽力により、1958年にブルーノート・レコードとの契約を獲得。これにより、ブルックスはリーダーとして初めての録音を行う機会を得ました。

ブルックスは、ブルーノート・レーベルに数々の名演を録音し、その名をジャズ史に刻みました。1958年から1961年の間に、リーダーとして4回のセッションを重ね、『True Blue』、『Minor Move』などのアルバムを発表。サイドマンとしても、ケニー・バレル、フレディ・ハバード、ジャッキー・マクリーン、フレディ・レッド、ジミー・スミスといった名だたるミュージシャンのアルバムに参加しています。特に、マクリーンとレッドはブルックス自身のアルバムにも参加しており、彼らの間には深い音楽的な繋がりがありました。

また、ブルックスはジャック・ゲルバーの演劇『コネクション（The Connection）』にも関わっています。マクリーンの代役として舞台に立ち、アルバムの収録曲を演奏するなど、その才能を多岐に発揮しました。

しかし、薬物依存が彼の健康を蝕み、1961年以降は録音活動から遠ざかることになります。そして、肝臓障害により、1974年8月13日、42歳という若さでこの世を去りました。

彼の残した音楽は、今日でも多くのジャズファンを魅了し続けています。

ディスコグラフィー

リーダー・アルバム
True Blue (1960年、Blue Note)
Minor Move (1980年、Blue Note) ※1958年録音
Street Singer (1980年、Blue Note) ※1960年録音 with ジャッキー・マクリーン
Back to the Tracks (1998年、Blue Note) ※1960年録音
The Waiting Game (2002年、Blue Note) ※1961年録音

外部リンク

Tina Brooks at the Hard Bop Home Page
Freddie Hubbard - Open Sesame (1960)
* Tina brooks back to the tracks

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