ティム・ハワード

ティム・ハワード（Tim Howard, 1979年3月6日 - ）は、アメリカ合衆国出身の元プロサッカー選手。ゴールキーパーとして、アメリカ代表やプレミアリーグのエヴァートンなどで活躍しました。

プロキャリアの始まり

ハワードは1998年にメトロスターズでプロデビュー。2000年にはシドニーオリンピックにU-23アメリカ代表として出場し、その才能を発揮しました。2001年にはMLSの最優秀ゴールキーパーに選ばれるなど、若くしてアメリカを代表するGKとして注目を集めます。

欧州への挑戦

2003年、ハワードは名門マンチェスター・ユナイテッドへ移籍。当初は正GKとして活躍するも、徐々に調子を落とし、出場機会を減らします。2006年にはエヴァートンFCへレンタル移籍し、これが転機となりました。エヴァートンでは正GKとして安定したパフォーマンスを披露し、完全復活。その後、エヴァートンへ完全移籍し、長年に渡りチームの堅守を支えました。

アメリカ代表としての活躍

ハワードはアメリカ代表としても長年活躍し、国際Aマッチ121試合に出場。2002年に代表デビューを果たし、2010年と2014年のFIFAワールドカップでは正GKとしてチームを牽引しました。特に2014年ワールドカップのベルギー戦では、1試合で16セーブという驚異的な記録を樹立し、世界中から賞賛を浴びました。

FIFAコンフェデレーションズカップ2009では、決勝トーナメント進出を決めたエジプト戦、準決勝のスペイン戦で好セーブを連発。チームの完封勝利・準優勝に大きく貢献し、大会選定の最優秀ゴールキーパー（ゴールデングローブ）に選ばれました。

2010 FIFAワールドカップ初戦のイングランド戦では、先制点は与えたものの好セーブで1失点のみに抑え、格上相手の引き分けに貢献。マンオブザマッチに選ばれました。また第3戦のアルジェリア戦で後半ロスタイムに先制ゴールの起点となったスローイングをしたり、決勝トーナメント1回戦のガーナ戦で延長後半にFKの際に前線まで出て、相手GKと競り合うなどフィールドプレーヤーさながらの姿勢を見せました。

MLS復帰と引退、そして再び...

2016年、ハワードはMLSのコロラド・ラピッズへ移籍し、アメリカでのプレーを再開。2019年に現役引退を発表しましたが、2020年にはUSLチャンピオンシップのメンフィス901FCで現役復帰。再び引退後は、解説者やメンフィス901FCの共同オーナー兼スポーツディレクターとして活動しています。

人物像

ハワードは、幼少時代にバスケットボールでも才能を発揮していました。また、トゥレット症候群を抱えながらも、その困難を乗り越えてプロサッカー選手として成功を収めたことは、多くの人々に勇気を与えています。2012年には、自陣から蹴ったボールがそのまま相手ゴールに入るという珍しいゴールを記録し、話題となりました。

プレースタイル

優れた反射神経とポジショニングセンスを持ち、至近距離からのシュートストップに定評がありました。また、正確なフィードで攻撃の起点となることもありました。精神的にも強く、ピンチの場面でも冷静さを保ち、チームを鼓舞する存在でした。

ティム・ハワードは、その長年の活躍と人柄で、多くのファンに愛された偉大なゴールキーパーです。

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