ティム・バートンのコープスブライド

『ティム・バートンのコープス・ブライド』

ティム・バートン監督による『コープス・ブライド』は、2005年に公開されたファンタジーアニメーション映画で、ロシアの民話を基にしています。ストップモーションアニメ技術を使用した本作は、先に公開された『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』と同じ手法で製作され、アカデミー賞にノミネートされたことでも話題となりました。興行的にも成功し、ナショナル・ボード・オブ・レビューでは最優秀アニメーション映画に選ばれました。

あらすじ

物語は19世紀のヨーロッパの小さな村を舞台に、成金の魚屋の息子ヴィクターと没落貴族の娘ヴィクトリアの結婚をめぐるものです。親同士の決めた政略結婚に緊張するヴィクターは、リハーサルでの失敗が続き、結婚の誓いを一人で森で練習します。その際、誤ってコープス・ブライドであるエミリーの指に花嫁の指輪をはめてしまい、彼女に結婚の誓いを受けたと誤解され、死者の世界に連れ去られます。

死者の世界は、地上とは全く異なり、愉快で活力に満ちた場所です。ヴィクターはエミリーの悲しい過去や彼女がどのようにして死者の世界にいるのかを理解し、次第に彼女の愛情と健気さに惹かれていきます。しかし、彼には生きている婚約者であるヴィクトリアが存在するため、エミリーとの関係は葛藤を生じます。

物語が進むにつれ、ヴィクターはエミリーの愛を受け入れる決意を固めます。一方で、ヴィクトリアも彼を失うことを恐れ、内なる強さを発揮し、二人の運命を変えようと奮闘します。結婚式が進む中で、エミリーはかつて騙した男バーキスに再会し、彼が自らの死をもたらした詐欺師であることを思い出します。この瞬間、エミリーは自らの過去に決着をつけ、ヴィクターとヴィクトリアに幸せを託すことを選びます。

キャラクター

• - ヴィクター・ヴァン・ドート: 内気な主人公で、金持ちの家庭に生まれたものの、結婚に対する不安を抱えています。最終的に、エミリーと深い絆で結ばれます。
• - コープスブライド（エミリー）: 過去に結婚詐欺にあった死体の花嫁。生者と死者の間で葛藤しながらも、愛を求めます。
• - ヴィクトリア・エヴァーグロット: ヴィクターの本来の婚約者で、結婚に対する憧れと不安を抱えています。

スタッフと受賞歴

監督はティム・バートンとマイク・ジョンソンで、音楽はダニー・エルフマンが担当しています。本作は多くの賞にノミネートされ、特にアカデミー賞では長編アニメーション賞にノミネートされました。

この映画は、愛、悲しみ、自己犠牲が交錯する物語であり、その独自のビジュアルスタイルと深いテーマは、視聴者に強い印象を与えています。社会の枠に縛られた恋愛の行く末を描くこの作品は、ティム・バートンの芸術的な視点と感受性が融合した傑作です。

もう一度検索