テイスト (バンド)

テイスト (Taste) - アイルランドのロックバンド

テイストは、アイルランド・コーク出身のロックバンドであり、「第2のクリーム」として知られていますが、独自の音楽スタイルを追求しました。このバンドは特に、スリリングで力強いライブパフォーマンスによって多くのファンを魅了し、評判を得ていきました。そのため、バンドを代表する存在となったロリー・ギャラガーは、ロック史において最高のギタリストの一人とされています。

来歴

結成とデビュー

テイストは1966年に結成されました。元々ロリー・ギャラガーはハンブルクで他のバンドと活動をしていましたが、故郷のコークに戻った後、新しいメンバーを探すことになります。その際、当地のR&B系バンド「The Axills」のギタリストが脱退し、残ったメンバーがロリーに声をかけます。意気投合したものの、ロリーはそのバンドに参加するのではなく新たにバンドを作ることを決意し、このようにしてテイストが誕生しました。

初期メンバーはドラムのノーマン・ダメリー、ベースのエリック・キットゥリンガムであり、最初のレパートリーは主にカバー曲とロリーのオリジナル曲でした。活動初期には、ロリーとエリックが半々で歌っていましたが、次第にロリーの楽曲が中心となっていきました。コークでの活動は制約が多く、音楽家組合の監査がある間は巧妙な手段で問題を回避しながら演奏を続けました。その後、ロリーがベルファストでの演奏に出向き、ベルファストを拠点にすることになりました。

デビュー後

ベルファストでは、ロックシーンで名を馳せていたマリタイム・ホテルに出演し、徐々に人気を博しました。エディ・ケネディがマネージャーとしての役割を果たし、彼の人脈を活かして1967年にシングル「Blister On The Moon / Born On The Wrong Side Of Time」をリリースするとヒットし、テイストの名は広がっていきました。

イギリスのバンドの前座としても活動を始め、クリームのマネージャーであるロバート・スティグウッドに目をかけられ、メジャーデビューの話が持ち上がります。しかし、その際にリズムセクションの強化が求められ、既存メンバーと入れ替わる形で新たなメンバーが加入しました。こうしてロンドンに拠点を移し、クラブ・マーキーでのハードなスケジュールでライブを重ねました。

1969年には1stアルバムをリリースし、多くのライブで盛り上がりましたが、マネージャーとの関係が悪化し、困難な状況が続きました。それでもメンバーは情熱を持ち続け、日々の演奏を大切にしていました。

解散とその後

1970年、セカンド・アルバムがリリースされるころには、メンバー間に音楽性の違いが生じてきました。生活の厳しさも影響を及ぼし、ロリーはマネージャーに待遇改善を訴えますが、マネージャーは他のメンバーに誤解を与える発言をし、仲間との亀裂が広がります。バンドはワイト島音楽祭に出演するものの、内部の不和が続き、最終的に10月にロリーがバンドからの脱退を申し出ました。

その後、ロリーは故郷コークに戻りソロ活動を始めました。一方で、ジョンとリッチーは新バンド「スタッド」を結成し、続けて音楽活動に取り組みましたが、万全とは言えない状況が続きました。

ディスコグラフィ

テイストは少数のスタジオ・アルバムとライブ・アルバムを残しました。リリースされたアルバムには、初期の名作『テイスト』や『オン・ザ・ボード』が含まれています。彼らの音楽は世代を超えて評価され続けており、テイストの音楽的遺産は今もなお多くのファンに愛されています。

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