テキシコー

テキシコー：パソコンを使わずに学ぶ、新しいプログラミング教育番組

『テキシコー』は、NHK Eテレで放送されている、小学校3年生から高校生を対象としたユニークなプログラミング教育番組です。2019年のパイロット版放送を経て、2020年度からNHK for Schoolのレギュラー番組として放送されています。タイトルの『テキシコー』は「プログラミング的思考」を意味しており、その名の通り、プログラミング的思考を育むことに重点を置いています。

番組最大の特徴は、パソコンを使わずにプログラミング的思考を学ぶことができる点です。アニメーションや様々なコーナーを交えながら、楽しみながら学習を進められる工夫が凝らされています。子供たちが楽しみながら、自然とプログラミング的思考を身につけていけるような構成になっています。

魅力的なキャラクターと多彩なコーナー

番組を彩る個性豊かなキャラクターたちも魅力の一つです。冒頭アニメーションでは、当初はイカの姿をしたゲソタラズが活躍していましたが、5話以降はズボンの形をしたアシノヒトが登場し、9話でゲソタラズが復帰、最終回では二人のダンスが披露されました。

番組は様々なコーナーで構成されています。

あたまの中でうごかしてみよ: シミュレーションの練習を通して、手順を組み立て、先を予測する力を養うコーナーです。頭の中で手順を事前に組み立て、シミュレーションを行うことで、実際にプログラムを実行する前に問題点を見つけ出すトレーニングを行います。
ダンドリオン: 手順の組み合わせを改善し、効率性を追求する楽しさを学ぶアニメーションコーナーです。「効率」を重視した、無駄のない手順の重要性を分かりやすく解説しています。キャラクターたちが様々な方法を試行錯誤する様子は、子供たちの共感を呼びます。
ロジックマジック: 手品の中に隠されたプログラムの仕組みを解き明かす、興味深いコーナーです。手品という子供たちに人気の要素を取り入れることで、プログラミングの論理的な側面を自然と理解できるよう工夫されています。
プログラム人間: お笑いコンビ和牛の川西賢志郎さんが、相方である水田信二さんをプログラミングするという、ユーモラスなコーナーです。和牛の絶妙な掛け合いを通じて、プログラミング的思考の概念を分かりやすく解説しています。
こんなところにプログラム: 身近な物や出来事の中に隠れているプログラムを紹介するコーナーです。普段何気なく使っているものの中に、プログラミングの要素が隠されていることを子供たちに気づかせることで、プログラミングへの興味関心を高めます。
小山田部長とテキシコー: 6話から登場した小山田部長が、様々な課題をプログラミング的思考を使って解決していくコーナーです。
* テキシQ: プログラミング的思考を使うことで、効率的に解ける問題に挑戦するコーナーです。問題解決能力を高め、論理的思考力を養うことを目的としています。

プログラミング的思考の5つの要素

『テキシコー』では、プログラミング的思考を以下の5つの要素に分解して解説しています。

1. 小さく分けて考える（分解）: 大きな問題を小さな問題に分割することで、解決しやすくなります。
2. 手順の組み合わせを考える（組み合わせ）: 小さな問題を解決するための手順を組み合わせ、全体の問題を解決します。
3. パターンを見つける（一般化）: 似たような問題をまとめて、効率的に解決するためのパターンを見つけ出します。
4. 大事なものだけ抜き出して考える（抽象化）: 問題の本質を見抜き、不要な情報を省いて解決に必要となる情報だけを抽出します。
5. 頭の中で手順をたどる（シミュレーション）: 手順を実行する前に、頭の中でシミュレーションを行い、問題点や改善点を事前に見つけ出します。

番組の制作と放送

番組は、佐藤雅彦氏を監修に迎え、堀江由朗氏による音楽、佐藤雅彦氏、うちのますみ氏、永迫志乃氏によるアニメーションなど、高いクオリティで制作されています。2024年3月31日に和牛が解散したものの、番組自体は内容を変更することなく放送が継続されており、現在では地上波で和牛がコンビでレギュラー出演する唯一の番組となっています。

『テキシコー』は、子供たちに楽しみながらプログラミング的思考を学ぶ機会を提供する、画期的な教育番組です。その工夫を凝らした構成と、魅力的なキャラクターたちは、子供たちの未来を明るく照らす一助となるでしょう。

もう一度検索