テクスチュア

音楽におけるテクスチュア（テクスチャー）とは

音楽におけるテクスチュア（英: Musical Texture）は、楽曲全体の響きを表す音楽用語です。楽曲を「分厚いテクスチュア」「軽いテクスチュア」と表現したり、人気のある作品を「開かれたテクスチュアのある作品」と評したりします。

テクスチュアの概念

「Texture」は、本来「物の表面の質感、感触、外観」を意味します。音楽においては、演奏される声部の数や響きの密度、各声部を演奏する楽器の音色、和声法やリズム法などが組み合わさって生まれる、楽曲の総合的な品質を指します。

テクスチュアの種類

声部間の数や関係を表す際には、以下のような用語が用いられます。

モノフォニー: 単独の声部のみで構成される最も基本的なテクスチュア。グレゴリオ聖歌などが代表例です。
ヘテロフォニー: モノフォニーの変種で、旋律は一つですが、部分的に旋律から逸脱し、偶発的なポリフォニーを生じることがあります。
ポリフォニー: 複数の独立した声部から構成され、各声部が対等な重みを持ちながらも互いに関連性を持つテクスチュア。「伴奏」という概念はありません。
ホモフォニー: 最上声部が主旋律となり、他の声部はそれに従属し、全声部がほぼ同じリズムで動くテクスチュア。
モノディ: 17世紀イタリアの歌曲様式で、主旋律と通奏低音に基づく和音伴奏が組み合わされたテクスチュアです。

これらの用語は、西洋音楽のテクスチュアを完全に表現できるわけではありません。現代音楽では、ジェルジ・リゲティが開発したミクロポリフォニーのように、より複雑なテクスチュアも存在します。

その他にも、ホモリズム、ポリリズム、複主題、オノマトペー、合成テクスチュア、混合テクスチュアなど、多様なテクスチュアがあります。

テクスチュアを理解することの重要性

楽曲のテクスチュアを理解することは、楽曲の構成や表現力をより深く理解することにつながります。楽曲を分析したり、作曲や編曲を行う際には、テクスチュアの知識が不可欠と言えるでしょう。

参考資料

Corozine, Vince (2002). Arranging Music for the Real World: Classical and Commercial Aspects. ISBN 0786649615.

関連項目

テッシトゥーラ

外部リンク

A Guide to Musical Texture with multimedia
Stages in the Evolution of Music -- from monophony to harmony.
Role of the Drone in the Evolution of Harmony

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