テクノドライブ

テクノドライブ (TECHNO DRIVE)

ナムコ（後のバンダイナムコアミューズメント）が手掛けたアーケードゲーム、『テクノドライブ』は、「人類全能化計画シリーズ」の第二弾として登場しました。前作『技脳体』が多岐にわたる能力を測定したのに対し、本作はタイトルの通り「運転技術」に特化し、プレイヤーのドライビングスキルを詳細に分析・評価することを目的としています。

独自の筐体と操作

一般的なアーケード向けドライブゲームとは一線を画すのが、その筐体デザインです。プレイヤーが座るためのシートは設けられておらず、立った姿勢でのプレイを基本としています。操作デバイスとしては、手元に設置されたハンドルと、足元に配置されたアクセル・ブレーキペダルを使用します。これらの操作を通じて、プレイヤーの技術を測定します。

測定される運転技術

測定は大きく三つの部門に分かれています。

手技 (STEERING TECHNIQUE)
ハンドル操作のみを使用する部門です。「高速適応力」「車幅感覚」「動体視力」「決断力」「誘導反射」といった、繊細かつ素早いハンドリング能力が問われる5種類のゲームで構成されています。多くは30秒の制限時間内に課題をクリアすることを目指します。

足技 (FOOTWORK TECHNIQUE)
アクセルとブレーキ操作に特化した部門です。「度胸（チキンレース）」「ジャンプ技術（速度調整）」「状況判断力」「パワー制御能力」「反応速度」など、ペダルワークの正確性や瞬発力が試される5種類のゲームが用意されています。

実技 (PRACTICAL TECHNIQUE)
ハンドル、アクセル、ブレーキの全ての操作デバイスを駆使する部門です。「スピン走行」「スムーズ走行」「連続集中走行」「思考リンク走行」「バック走行」といった、総合的な運転技能が要求される5種類のゲームで構成されており、こちらも多くの種目が30秒の制限時間で行われます。

ゲームの流れと評価

ゲームの進行はシンプルです。クレジットを投入し、まずは手技、次に足技、最後に実技の各部門からそれぞれ好きなゲームを選んでプレイします。各ゲーム終了後には、成績に応じて技術習得度がランク（A+～E-）で表示されます。全ての部門をプレイし終えると、総合評価が表示され、「運転技術革命指導書」として詳細なプレイ結果が印字されます。この指導書には、各項目の成績や総合評価に加え、辛口な解析結果や技術向上のためのトレーニングメニューなども記載されており、読み応えがあります。

総合評価が100%以上になると、指導書と併せて「運転技術認定書」も発行されます。

ボーナスと高みへの挑戦

さらに、手技、足技、実技の全15ゲーム全てで技術習得度100%を達成すると、特別なボーナスゲームが開始されます。このボーナスゲームをノーミスでクリアすると、「限定解除」となり、技術習得度や総合評価が100%を超える値で算出されるようになります。総合評価が100%から149.9%の場合はS評価、そして150%以上の極めて高い評価を得ると、最高ランクである「神」の称号が与えられます。

その他の特徴

クレジットを投入せずに操作を行うと、専用のメッセージが表示される演出があります。
ゲームの進行で極端に低い成績を出すなど、想定外のプレイをすると、指導書に特別な解析結果が印字される隠し要素も存在します。
デモ画面に表示されるメッセージの一部は、往年のアタリのSFドライブゲーム『S.T.U.N.RUNNER』へのオマージュとなっています。
* ゲーム内のBGMはタイトルの通り、テクノミュージックを中心に構成されており、そのサウンドは非売品CDとして配布されたほか、後にiTunes Storeでも配信されました。

『テクノドライブ』は、単なるレースゲームではなく、精密な操作と状況判断を要求されるユニークなゲーム設計により、プレイヤー自身の隠れた運転能力を再発見できる、個性的なアーケード体験を提供しました。シリーズの前作『技脳体』と同様、プレイヤーの挑戦意欲を刺激するゲームとして記憶されています。

もう一度検索