テディ・ペンダーグラス

テディ・ペンダーグラス：フィラデルフィア・ソウルの帝王

テディ・ペンダーグラス（Teddy Pendergrass、本名：セオドア・デリーズ・ペンダーグラス・ジュニア、Theodore DeReese Pendergrass Jr.、1950年3月26日 - 2010年1月13日）は、アメリカ合衆国出身のR&B歌手です。1970年代のブラック・ミュージック界を席巻したフィラデルフィア・ソウルの代表的なアーティストとして知られています。

初期のキャリアとハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ

音楽キャリアの初期、ペンダーグラスはザ・キャデラックというバンドでドラマーを務めていました。その後、ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツに加入し、リードボーカルとしてその才能を開花させます。ザ・デルズのスタイルを踏襲したコーラス・グループの中で、ペンダーグラスの力強い歌声は瞬く間に人気を集めました。

ソロデビューと成功

1977年、アルバム『テディ・ペンダーグラス』でソロデビューを果たします。ソロ活動を開始してからは、「Close the door」「Love T.K.O.」など、数々のヒット曲を連発し、フィラデルフィア・インターナショナル（PIR）の看板アーティストとして、その人気を不動のものとしました。マーヴィン・ゲイやアル・グリーンといった同時代のソウルシンガーと同様に、セックスシンボル的な人気を博し、多くのファンを魅了しました。

日本での意外なブレイク

1979年に発売された3枚目のアルバム『テディ』に収録されている「Do Me」は、日本では意外な形で注目を集めました。TBSのバラエティ番組「8時だョ!全員集合」内のコント「ヒゲダンス」のBGMとして、この曲のベースラインが使用されたのです。ヒゲダンスの爆発的な人気とともに、「Do Me」も日本で広く知られるようになり、日本独自のシングルカットも発売されました。ジャケットには「ヒゲダンス」の文字を入れることはできませんでしたが、「子供から大人まで話題集中」というキャッチコピーが付けられ、話題となりました。この曲を採用したのは、ザ・ドリフターズのメンバーであり、ソウルミュージック好きで知られる志村けんだったことは有名なエピソードです。

事故と復活、そして晩年

1982年、ペンシルベニア州フィラデルフィアで自動車事故に遭い、四肢麻痺という重傷を負います。しかし、リハビリを経て、車椅子でのステージ復帰を果たし、多くの人々に感動を与えました。その後も音楽活動を続けましたが、2009年に結腸がんであることが判明し、闘病生活を送りました。2010年1月13日、59歳でこの世を去りました。

ディスコグラフィー（一部）

Teddy Pendergrass (1977)
Life is a song worth singing (1978)
Teddy (1979)
TP (1980)
It's time for love (1981)
Love language (1984)
* Joy (1988)

テディ・ペンダーグラスは、その甘くセクシーな歌声と、困難を乗り越えて音楽を追求した不屈の精神で、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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