テポドン (ミサイル)

テポドンの概要

テポドンは、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）が開発した弾道ミサイルのプロトタイプであり、主にテストベッド用として位置付けられています。このミサイルシリーズには、準中距離弾道ミサイル（MRBM）に分類される「テポドン1号」と、大陸間弾道ミサイル（ICBM）とされる「テポドン2号」が含まれます。さらに、人工衛星を打ち上げるためのロケットである「銀河2号」と「銀河3号」は、テポドン2号の改良・派生型であるとされています。

名称の由来

「テポドン」という名称は、このミサイルが最初に確認された地名である大浦洞に由来し、アメリカによって付けられたコードネームです。北朝鮮側では、テポドン1号は「白頭山1号」または「銀河1号」として呼称され、テポドン2号の改良型は、公式に「銀河2号」や「銀河3号」と名付けられています。

各型の性能

テポドン1号は、二段式で液体燃料を使用し、1段目にはノドン、2段目にはスカッドが搭載されています。その射程は1,500km以上とされ、準中距離弾道ミサイルに分類されます。これに対してテポドン2号は、1段目に新たに開発されたブースター、2段目にノドンが搭載され、射程は約6,000kmとされています。

このテポドンシリーズは、様々な発射実験を経て、実際のミサイルに関連性があると考えられています。例えば、1998年、2006年、2009年、2012年における発射実験により、その特性が明らかになりました。その特性として、多段式ロケットや即応性の高い固体燃料のミサイルが考慮され、テポドンシリーズは軍事用ではなく、主に技術試験用のモデルであるとの見解が強いです。たとえば、韓国や日本を脅かすような性能を持たせるためには、他のロケットシステムの使用が可能です。

発射実験の詳細

テポドンの発射実験は、主に北朝鮮の舞水端里および東倉里から行われており、これまで数回の成功した試みがありました。1998年、2006年、2009年の実験では、舞水端里から東方へ向けて発射され、日本列島の上空を通過しました。これは、地球の自転を利用して打ち上げを有利に進める手法ですが、他国の上空を通ることは一般的に安全保障上の理由から避けられます。

また、2012年の発射では、東倉里から衛星を打ち上げる試みが行われ、石垣島の近くを通過する軌道に設定されました。この試みでは、光明星3号の打ち上げに成功しました。

その他の話題

テポドンに関連する文化的な作品もいくつか存在します。2005年には日本のお笑いコンビが『テポドン音頭』という楽曲を発表し、これが話題となりました。また、人気アニメやゲームの中でも「テポドン」に触れた要素が見られます。音楽ゲーム「beatmania IIDX」ではテポドンをテーマにした楽曲が収録され、その影響力を示しています。

このように、テポドンはただの軍事的な装置に留まらず、文化や技術的な側面でも関心を集めています。その発展や影響については、今後も注目が集まることでしょう。

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