テミス (人工衛星)

THEMIS（テミス）について

THEMIS（Time History of Events and Macroscale Interactions during Substorms）は、NASAが展開する観測衛星の一群であり、地球のオーロラ嵐を引き起こすサブストームのメカニズムを解明することを目的としています。このプロジェクトは、地球の磁気圏内に配置された5機の小型衛星で構成され、サブストームの開始位置やその引き金となる現象についての詳細なデータを収集しています。

THEMISの構成と役割

THEMISは、地球の磁気圏に広がる5機の衛星からなります。これらの衛星は、サブストームの動きや変化を観測し、これらの現象がどのように発生するのかを研究します。特に3機の衛星は現在も地球の磁気圏内で作業を続けていますが、残りの2機は月の近くの軌道に移動し、ARTEMIS（Acceleration, Reconnection, Turbulence and Electrodynamics of the Moon’s Interaction with the Sun）という名称に改称されました。ARTEMISは月と太陽の相互作用の研究を担当しています。

打ち上げの経緯

THEMISは2007年2月17日、ケープカナベラル空軍基地の発射台からデルタIIロケットを用いて打ち上げられました。打ち上げは予定されていた4回の延期を経て、正確に予定された時刻に実施されました。延期の理由には、充分な準備が整わなかったことや、燃料補給、そして高度の気流の影響などが挙げられます。最初の延期は2006年10月19日に、太陽観測衛星であるSTEREOの打ち上げにも影響を及ぼしました。

搭載されている観測装置

THEMISには複数の高性能な観測装置が搭載されています。これらの装置には、以下のものが含まれます。

• - Instrument Data Processing Unit (IDPU): データ処理を担当するユニットです。
• - Electric Field Instruments (EFI): 磁場や電場の測定を行います。
• - Flux Gate Magnetometer (FGM): 磁場の強さを測定します。
• - Search Coil Magnetometers (SCM): 磁場の変動を捉えます。
• - Electrostatic Analyzer (ESA): プラズマのエネルギー分布を測定します。
• - Solid State Telescope (SST): 高エネルギー粒子を観測します。

また、地上側でも観測活動が行われており、以下のような装置が地上データ収集のために利用されています。

• - Ground-Based All-Sky Imager (ASI) Array: 広範囲のオーロラを撮影するための装置です。
• - Ground-Based Magnetometer (GMAG) Array: 地上の磁場を測定する装置です。

研究の成果と意義

THEMISプロジェクトは、サブストームの詳細なメカニズムを解明することで、今後の宇宙天気予測やオーロラの理解に寄与することが期待されています。これにより、知識の拡大や宇宙現象に対する理解が一層深まり、人類が宇宙活動を行う上での重要な基盤となります。また、地上の観測基地と連携することで、衛星データと地上データの相互補完が進み、より精度の高い科学的知見が得られることでしょう。

参考文献と関連項目

THEMISプロジェクトに関しては、NASAの公式ページや、カリフォルニア大学バークレー校の宇宙科学研究所の関連ページを参照することができます。これらの資源は、プロジェクトの進行状況や科学的成果を詳しく理解するために役立ちます。

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