テルエル空港

テルエル空港：航空機の駐機、メンテナンス、そして解体

テルエル空港（Aeropuerto de Teruel、IATA: TEV, ICAO: LETL）は、スペインのアラゴン州テルエル県テルエルに位置する空港です。2013年2月28日に開港し、そのユニークな役割で注目を集めています。

空港の概要

テルエル空港は、元々空軍基地だった場所を転用して建設されました。建設には4000万ユーロ（約54億円）の資本が投じられています。2013年2月5日には、スペイン航空安全保安局(AESA)によって民間利用が認定され、同年2月28日には、スペイン航空庁とアラゴン政府から航空業務の許可を得ました。空港は、アラゴン州政府とテルエル市議会が共同で所有しており、AENAグループには属していません。

戦略的な立地

テルエル空港は、最大250機を駐機できる広大なスペースを有しています。その立地も戦略的で、マドリード、バルセロナ、バレンシア、サラゴサ、ビルバオといったスペインの主要5都市を結ぶ円の中心に位置しています。この地域はスペインのGDPの60%を占め、空港から400キロ圏内には2000万人以上が居住しています。

ユニークな役割

テルエル市は人口3万5000人の都市ですが、定期便は就航していません。その代わりに、ラウル・ベルドゥーとラウル・トッレスは、航空機の駐機、メンテナンス、解体に特化した空港としてテルエル空港を活用することを考えました。現在、テルエル空港は、Tarmac Aerosave社の航空機メンテナンス施設と、いわゆる「飛行機の墓場」としての役割を果たしています。

新型コロナウイルス感染症の影響

2020年、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、ヨーロッパの多くの航空路線が運休を余儀なくされました。その結果、ルフトハンザ、エールフランス、KLM、エミレーツ、エティハド航空など、エアバス社の顧客である多くの航空会社が、行き場を失った機体をテルエル空港に回送し、駐機数が増加しました。当初の収容可能スペースは125機でしたが、260機まで拡張する計画が持ち上がっています。

テルエル空港は、その戦略的な立地とユニークなサービスにより、航空業界において重要な役割を果たしています。航空機の駐機、メンテナンス、解体というニッチな分野に特化することで、他空港との差別化を図り、成功を収めていると言えるでしょう。

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