テルサ・ベアイヌ

テルサ・ベアイヌ

テルサ・ベアイヌ（Telusa Veainu）は、1990年12月26日にニュージーランド北島のカワカワで生を受けた、プロフェッショナルなラグビーユニオン選手です。フィールド上では主にフルバック（FB）としてプレーしており、そのパワフルなランニングスキルとトライを生み出す能力で知られています。現在は、フランスの最高峰リーグであるトップ14に所属するスタッド・フランセ・パリで活躍しています。

彼の身体的な特徴としては、身長180センチメートル、体重103キログラムと記録されており、これはフルバックとしては比較的頑強な体格と言えます。この体格は、アタック時のコンタクトプレーやディフェンスにおけるタックルにおいて、彼の強みとなっています。

ベアイヌのラグビーキャリアは、母国ニュージーランドで幕を開けました。若い頃からその才能は高く評価されており、将来有望な選手が集まるU20ニュージーランド代表に選出された経験を持っています。国内では、州代表選手権に出場するカンタベリーやホークスベイといったチームでプレーし、シニアレベルでの経験を積みました。さらに、南半球最高峰のクラブリーグであるスーパーラグビーにおいては、ニュージーランドを拠点とする強豪、ハイランダーズやクルセイダーズのメンバーとして名を連ねました。ニュージーランドでの経験に加え、彼はオーストラリアへも渡り、ナショナル・ラグビー・チャンピオンシップ（NRC）のメルボルン・ライジングや、スーパーラグビーのレベルズでもプレーしました。これにより、オーストラリアの異なるラグビースタイルにも適応し、選手としての幅を広げました。

南半球での豊富な経験を積んだ後、ベアイヌは2015年に活躍の場をヨーロッパに移しました。イングランドのプレミアシップに所属する歴史あるクラブ、レスター・タイガースに加入したのです。レスターではすぐにチームの中心選手となり、その攻撃的なプレースタイルでファンから絶大な支持を得ました。プレミアシップというハイレベルなリーグで、彼は自身の実力を改めて証明し、チームの得点源として不可欠な存在となりました。約5年間、レスターのキープレーヤーとして貢献した後、新たなリーグでの挑戦を決意します。

そして2020年、ベアイヌはフランスのトップ14に参戦し、パリを本拠地とする名門クラブ、スタッド・フランセ・パリに加入しました。フランスでもフルバックとしてチームの重要な一員となり、トップ14の激しい競争の中でそのスキルを発揮し続けています。

国際的なキャリアにおいては、ニュージーランド出身でありながらも、自身のルーツであるトンガ代表を選択しました。トンガ代表の選手として、彼は2021年1月時点で12キャップを獲得しています。太平洋諸島出身選手らしいパワフルさとアジリティを活かし、トンガ代表のバックスラインを牽引する存在として活躍しました。特に、世界のラグビー界最大の祭典であるラグビーワールドカップには、記念すべき二度出場しています。イングランドで開催された2015年大会、そして日本で開催された2019年大会で、彼はトンガ代表として世界の強豪国と渡り合いました。ワールドカップでの経験は、彼の国際的な評価をさらに高める要因となりました。

テルサ・ベアイヌは、これまで所属したニュージーランド、オーストラリア、イングランド、そして現在のフランスという異なるラグビー文化を持つ国々で、その適応能力と一貫したパフォーマンスを示してきました。彼のダイナミックなプレーは、観客を魅了し、チームの勝利に大きく貢献しています。現在もスタッド・フランセの一員として、トップ14の舞台でその円熟したプレーを披露しています。

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