テルノーピリ

ウクライナ西部に位置する歴史都市、テルノーピリ

テルノーピリは、ウクライナ西部のテルノーピリ州に位置する州都です。セレト川沿いに築かれたこの都市は、1540年の創建以来、幾多の歴史的変遷を経験し、現在もウクライナ西部の重要な都市として発展を続けています。

創設からポーランド分割まで

1540年、ポーランド王ジグムント1世は、ヤン・タルノフスキにこの地の領地を与え、町の建設を命じました。この時、町は「タルノーポリ」と名付けられ、これは「タルノフスキ家の街」を意味する名称でした。

1548年には都市法が認められ、税制の優遇措置や毎日の市場開催が許可されるなど、積極的に発展が促されました。しかし、17世紀半ばには、フメリニツキーの乱によってウクライナ・コサックの支配下に置かれます。その後、1772年のポーランド分割によって、オーストリア帝国の領土となりました。

20世紀の激動とウクライナ独立

第一次世界大戦後の1918年末、テルノーピリは西ウクライナ人民共和国、その後1919年には短命のガリツィア社会主義共和国の首都となりました。この時代、ウクライナ人たちは、この町をウクライナ語の発音で「テルノーピリ」と呼ぶようになりました。

1922年には、ポーランド共和国のタルノーポリ県の県庁所在地となり、1939年のポーランド侵攻まで、ポーランド領として存続しました。第二次世界大戦中には、ナチス・ドイツとソ連の占領下に置かれ、1944年には正式に「テルノーピリ」と改称され、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の都市となりました。

1952年、ポーランド人民共和国が成立しましたが、テルノーピリはポーランドに復帰することなく、ソ連領、そして1991年のウクライナ独立後は、ウクライナのテルノーピリ州の州都として現在に至っています。

交通の要衝と教育機関

テルノーピリは、ウクライナ西部の主要な道路と鉄道の交差点に位置していることから、古くから交通の要衝として機能してきました。現在も、地域経済の中心地としての役割を果たしています。

教育面では、西ウクライナ国立大学、テルノーピリ国立医科大学、テルノーピリ国立教育大学、テルノーピリ国立工科大学など、多くの高等教育機関を擁し、人材育成にも貢献しています。

国際交流

テルノーピリは、アメリカ合衆国のヨンカーズ、ブルガリアのスリヴェン、ポーランドのホジュフ、ジョージアのバトゥミ、モルドバのティラスポリなど、多くの都市と姉妹都市提携を結び、国際的な交流にも力を入れています。

まとめ

テルノーピリは、500年以上にわたる歴史の中で、様々な支配者や出来事によって形作られてきました。その歴史は、街の建築物や文化、そして人々の生活様式に色濃く反映されています。現在も発展を続けるテルノーピリは、ウクライナ西部の重要な都市として、その歴史と文化を未来へと繋いでいくことでしょう。

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