テロップ

テロップの概要

テロップとは、主にテレビ放送に用いられる静止画を全画面に表示する装置のことを指します。1949年にアメリカのGray Research & Development CompanyとCBSによって実用化され、「テレビ用不透明式投影機」を略した名称です。この装置は、情報を手軽に提供するために貢献し、後には字幕表示の技術としても重要な役割を果たしました。

テロップの機構

テロップは「オペークカード」と呼ばれる専用カードを使用して、内容を伝えます。このカードには文字や図像が記載され、テロップ装置に装填されます。装置はカードの映像を信号に変換し、全画面に表示する機能を持っています。初期のテロップ装置はブラウン管を使った走査方式でしたが、後に固体撮像素子を使用した改良型が登場しました。

カードサイズは一般的に縦10cm、横12.5cm、厚さ0.2〜0.5mmで、セーフティゾーンに収められた範囲内に図像を配置する技術が必要でした。カードは手書き又は印刷で作成され、特に「ライブテロップ」と呼ばれるものは、リアルタイムで対応するために即興で用意されました。

テロップの利用

テロップカードは多くの用途に利用されました。例えば、番組間のフィラーや放送事故の際の情報提供、タイトルカードや提供クレジットの表示などです。また、コマーシャルメッセージや報道での速報にも用いられました。

特に、字幕スーパーとしての機能が強調され、ニュース速報や時刻表示などに利用されることが多く、その複雑な処理は専門の制作スタッフによって行われていました。

業務とスタッフ

放送現場では、テロップ制作スタッフが「タイトル」や「タイトルさん」と呼ばれ、迅速かつ正確な作業が求められました。特にライブ放送の際には、新たなカードを使用するために迅速に準備することが求められ、そのための技術や経験が重要視されていました。テロップの制作は、費用対効果も考慮され、例えば一枚のテロップカードが2000円程度であったとされています。

電子テロップの登場

テロップは時代とともに進化し、コンピュータグラフィックスやキャラクタージェネレータによる「電子テロップ」が登場しました。この新しい技術によって、デジタルデータのままLAN経由で放送局内に送信し、より洗練されたテキスト表示が可能になりました。

結論

テロップは昭和中期から後期にかけて、テレビ番組の重要な一部として活躍しましたが、技術の発展によってその姿は変わってきました。それでも、業務用や生放送の現場では、今でもその技術が求められています。テロップ製作で培ったスタッフの技術は、現在のデジタル表現にも引き継がれ、映像表現の多様性を豊かにしています。

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