テンポドローム

テンポドローム (Tempodrom) について

テンポドロームは、ベルリンのクロイツベルク地区に位置する多目的イベント会場です。この場所では、音楽コンサート、会議、スポーツイベントなど、さまざまな活動が行われています。1980年にイレーネ・モエシンジャーによって設立され、その歴史は多くの変遷を経て現在に至っています。

歴史の始まり

テンポドロームの物語は、モエシンジャーが看護師として働いていた時代に始まります。彼女は父から相続した800,000マルクを利用し、ベストな形でサーカスのテントを使用したこの会場を開設しました。初期の資金は早々に底をついてしまいましたが、運命の分かれ道が訪れます。ドイツ上院が運営の継続を援助することに合意し、テンポドロームは再生のチャンスを得ました。

しかし、初めての立地では騒音に関する苦情が多く寄せられたため、1985年に会場はティーアガルテンに移転することになりました。これを皮切りに、さらに大きな変化が待ち受けています。連邦首相府の移転に伴い、最終的には現在のロケーションへの移転計画が持ち上がりました。

ノイエス・テンポドロームの竣工

2002年、テンポドロームは新たに旧アンハルター・バーンホフ駅の跡地に建設されました。この建物は、旧駅舎の一部を保存しつつ、トレイン・シェッド全体を取り壊す形で大空間を確保しました。新設計は、著名な建築家フォン・ゲルカンが率いるGMPによるもので、完成した建物内には3つの公演スペース、オフィス、小規模なレストラン、トイレ、さらにはシーズン中にはビアガーデンとして利用されるウッド・テラスが組み込まれています。

特に注目されるのは、2つのアリーナが円形をしており、それぞれの天井は37メートルの高さを持つ鋼鉄とコンクリートのパネルで覆われている点です。大アリーナには3,800席、小アリーナには400席が設けられています。また、3つめのスペースである「Liquidrom」では、直径13メートルの塩水プールがあり、スピーカーが設置されているため、視覚だけでなく聴覚でも楽しむことができます。この新しいテンポドロームは、予算の2倍にあたる34,000,000ドルを投入し、竣工までの過程には予算超過に関するスキャンダルがあり、都市開発の責任者は辞任に追い込まれました。

財政的な試練

しかし、2005年にテンポドローム社は経済的な問題から破産を宣告され、イレーネ・モエシンジャーも代表を辞任しました。彼女とその前任者ノルベルト・ヴェールは横領の疑いで起訴されましたが、最終的には無罪判決を受けています。現在、テンポドロームは2010年4月にランデスバンク・ベルリンから経営が移譲されたブレマーKPSグループによって運営されています。

このように、テンポドロームはその誕生から今日まで数々の試練や変革を乗り越え、多様なイベントの中心として存在し続けています。

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