テーブルワイン

テーブルワインとは

テーブルワインとは、食中酒として楽しまれる辛口または半辛口のワインを指します。酒精強化ワインや甘口のデザートワインとは異なり、主菜とともに味わうことを目的としています。

EUのワイン法におけるテーブルワイン

欧州連合（EU）では、ワイン法に基づきワインが分類されています。テーブルワインは、特定産地の表示義務が比較的緩く、日常消費向けに生産されるワインと位置づけられています。一方で、産地を限定した高品質なワインは「クオリティワイン」として区別されます。

EUのワイン法では、加盟国が独自にワイン法を制定していたものを統合し、ワインを大きく2つのカテゴリーに分類しました。

スーペリアー・クオリティ・ワイン: 優良産地名が保護され、厳格な管理下で製造されるワイン。
テーブルワイン: 国名または大まかな地域名が表示され、比較的規制が緩いワイン。

各国のテーブルワイン事情

フランス

フランスでは、ヴァン・ド・ペイ（VdP）とヴァン・ド・ターブル（VdT）がテーブルワインに該当します。

ヴァン・ド・ペイ (VdP): 地方名や県名が表示されるワイン。近年では、高品質なものが増えており、AOCワインに匹敵すると評価されるものも出てきています。
ヴァン・ド・ターブル (VdT): 産地名が全く表示されないワイン。手頃な価格で入手できるものが多く、中には高品質なネゴシアンワインも存在します。

ドイツ

ドイツのテーブルワインには、ラントヴァインとターフェルヴァインがあります。

ラントヴァイン: フランスのVdPに相当する地酒で、辛口のものがほとんどです。
ターフェルヴァイン: ドイツ国内産ブドウのみを使用するドイッチャー・ターフェルヴァインと、EU諸国から輸入したブドウ果汁をドイツで醸造するEUターフェルヴァインがあります。EUターフェルヴァインは、ラベルを注意深く確認することで判別可能です。

イタリア

イタリアでは、インディカツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ（IGT）ワインとヴィーノ・ダ・ターヴォラ（VdT）がテーブルワインに分類されます。

インディカツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ (IGT): フランスのヴァン・ド・ペイに相当し、産地名やヴィンテージの表示が可能です。フランス系のブドウ品種を使用したワインも多く見られます。
ヴィーノ・ダ・ターヴォラ (VdT): 玉石混淆で、非常に高価なものから手頃な価格のものまで存在します。中には、DOCGワインよりも高価なスーペル・トスカーナと呼ばれるワインも含まれます。

テーブルワインの多様性

テーブルワインは、一般的にデイリーワインとして親しまれていますが、その価格帯や品質は非常に幅広いです。数百円で購入できるものから、数万円する高級ワインまで、様々なテーブルワインが存在します。規制が緩いことを逆手に取り、高品質なワインを製造する生産者もいます。

テーブルワインは、気軽に楽しめるワインから、特別な日のディナーを彩るワインまで、多様な選択肢を提供してくれるでしょう。

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