ディエゴ・クリスティアーノ・エヴァリスト

ディエゴ・ピトゥカ

ディエゴ・ピトゥカ（Diego Pituca）ことディエゴ・クリスティアーノ・エヴァリスト（Diego Cristiano Evaristo）は、1992年8月15日にブラジルのサンパウロ州で生まれたプロサッカー選手です。主にミッドフィールダー、特にゲームメーカーとしての役割を担うボランチとして知られ、現在は古巣であるブラジルのサントスFCに所属しています。

キャリア

プロとしてのキャリアをブラジル国内でスタートさせたピトゥカは、SEマトネンセやボタフォゴ-SPなどでプレーしました。SEマトネンセ時代には2013年にカンピオナート・パウリスタのセグンダ・ジヴィゾン優勝、ボタフォゴ-SPでは2015年にカンピオナート・ブラジレイロ・セリエD優勝を経験するなど、初期からチームタイトル獲得に貢献しています。その後加入したサントスFCでは主力選手として成長し、2019年にはカンピオナート・パウリスタのチーム・オブ・ザ・イヤーに選出されるなど、リーグ屈指のミッドフィールダーとしての評価を確立しました。

鹿島アントラーズへの移籍

2021年1月21日、日本のJリーグクラブ、鹿島アントラーズへの完全移籍が発表されました。新たな挑戦の場として日本の地を選び、背番号は21を背負うことになりました。しかし、当時の新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に伴う影響で、チームへの合流は遅れました。1月31日（日本時間）にサントスFCの選手としてリベルタドーレス杯決勝に出場した後、日本への入国は4月2日、チームへの本格合流はさらに遅れて4月18日となりました。

日本での公式戦デビューは、チーム合流から間もない4月28日のYBCルヴァンカップ・グループステージ第4節、サガン鳥栖戦でした。この試合に途中出場し、日本のファンにその姿を披露しました。続く5月1日の明治安田生命J1リーグ第12節、横浜FC戦でも途中出場を果たし、J1リーグ戦に初出場しました。初の先発出場は、5月5日のルヴァンカップ・グループステージ第5節、ホームで開催されたアビスパ福岡戦で実現しています。

鹿島アントラーズでの初アシストは、2021年6月6日のYBCルヴァンカップ、清水エスパルス戦で生まれました。味方のスローインから左サイドでボールを受けたピトゥカは、積極的にドリブルで相手陣深くへ切り込み、ファーサイドへ正確なクロスボールを供給。これにエヴェラウドが頭で合わせ、ゴールが生まれました。

加入後初ゴールは、2021年6月27日のJ1リーグ第20節、北海道コンサドーレ札幌戦の試合終了間際に生まれました。ペナルティエリア手前で味方が落としたボールに素早く反応し、胸トラップで相手守備陣を巧みにかわすと、素早く身体を開いて左足でゴールネットを揺らしました。この一撃は、チームにとって重要な同点ゴールとなりました。

鹿島アントラーズでは約3シーズンにわたり、中盤の要として豊富な運動量と的確なプレーでチームを支えました。しかし、2023年7月21日には、古巣サントスFCが2024年1月1日以降の事前契約締結を発表。2023シーズン限りでの鹿島退団と、ブラジルへの帰還が決定しました。

プレースタイル

ピトゥカの最大の特長は、中盤からチームの攻撃を組み立てる「司令塔」としての能力です。深い位置からでも正確な長短のパスを繰り出し、試合の流れやリズムを作り出すことに長けています。単にボールを散らすだけでなく、守備ラインの裏を突くスルーパスや、攻撃のテンポを上げる縦パスなど、ゴールに直結するパスも供給できます。

また、ゲームをコントロールするだけでなく、自ら積極的に攻撃に参加し、シュートまで持ち込むことも可能です。ペナルティエリア付近での冷静な判断力と、正確なフィニッシュ能力も持ち合わせています。

彼のプレーを語る上で欠かせないのが、その正確無比なキック精度、特に利き足である左足の技術です。プレースキックの質が高く、鹿島アントラーズではコーナーキックやフリーキックのキッカーを務めることも多くありました。左足だけでなく右足の精度も一定以上ですが、Jリーグでは左足を使う場面が圧倒的に多かったのが印象的です。

戦術眼、パスセンス、運動量、そして得点能力を兼ね備えた現代的なミッドフィールダーであり、彼の存在はチームの中盤に安定感と攻撃のバリエーションをもたらしました。

タイトル

クラブ

SEマトネンセ
カンピオナート・パウリスタ セグンダ・ジヴィゾン：2013年
ボタフォゴ-SP
カンピオナート・ブラジレイロ・セリエD：2015年

個人

* カンピオナート・パウリスタ チーム・オブ・ザ・イヤー：2019年

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