ディエゴ・ルナ

ディエゴ・ルナ

ディエゴ・ルナ・アレクサンダー（Diego Luna Alexander）は、1979年12月29日生まれ、メキシコ出身の著名な俳優であり、映画監督としても国際的に活躍しています。

生い立ちとキャリアの始まり

メキシコのトルーカで生を受け、首都メキシコシティで成長しました。彼の家庭は芸術に深く関わっており、父親のアレハンドロ・ルナは映画や舞台のセットデザイナーとして活動していました。父親は幼いディエゴをしばしば劇場に連れ出し、演技の世界への関心を育みました。一方、母親のフィオナ・アレクサンダーはイングランド出身の衣装デザイナーでしたが、彼がわずか2歳の時に交通事故でこの世を去っています。この経験が彼のその後の人生に影響を与えたことは想像に難くありません。

幼少期からの友人であるガエル・ガルシア・ベルナルとは、6歳の時に揃って舞台デビューを果たしました。その後、二人はメキシコ国内で多数のテレノベラ（ラテンアメリカの連続ドラマ）に出演し、キャリアを積み重ねていきました。

国際的な飛躍

ルナの才能はメキシコ国内に留まらず、2000年にはジュリアン・シュナーベル監督作『夜になるまえに』でハリウッドに進出しました。そして、2001年に盟友ガエル・ガルシア・ベルナルとダブル主演を務めたアルフォンソ・キュアロン監督の青春ロードムービー『天国の口、終りの楽園。』（原題：Y tu mamá también）が国内外で大ヒットし、彼の名を世界に知らしめることとなりました。この作品はヴェネツィア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞（新人俳優賞）を受賞するなど、高い評価を獲得し、その後の彼のキャリアを大きく開きました。この成功を機に、彼はメキシコ国内外の様々な作品で重要な役を演じるようになります。2007年9月には、第4回スペイン・ラテンアメリカ映画祭のゲストとして日本を訪れています。

多様な活動：監督、製作、そしてその後

俳優としての活動に加え、ルナは映画製作や監督業にも積極的に取り組んでいます。2005年にはガエル・ガルシア・ベルナルと共に映画製作会社「カナナ・フィルム（Canana Films）」を設立しました。この会社を通じて、メキシコの社会問題を扱ったドキュメンタリーなど、商業性だけでなく社会的な意義を持つ作品の製作にも携わっています。例えば、シウダー・フアレスで発生した多数の女性殺害事件を題材にしたドキュメンタリー番組を、ゴールデン・フェニックス・プロダクションと共同製作しています。

2012年には、メキシコ系アメリカ人の労働運動指導者セザール・チャベスを描いた伝記映画『セザール・チャベス』（原題：César Chávez）で長編監督デビューを果たし、演出家としても才能を発揮しました。2015年には映画『マッドタウン』に出演するなど俳優活動も続けつつ、カンヌ国際映画祭のある視点部門の審査員を務めるなど、世界の映画界において多角的な役割を担っています。

私生活

私生活では、2008年2月に女優のカミラ・ソディと結婚しましたが、2013年3月に離婚しています。子供が二人おり、2008年8月12日には長男のジェロニモが、2010年7月1日には娘のフィオナが誕生しています。娘の名前は亡き母に敬意を表して名付けられました。

メキシコのエンターテインメント界で確固たる地位を築き、ハリウッドや国際舞台でも活躍を続けるディエゴ・ルナは、俳優として、また監督・プロデューサーとして、その多才ぶりを発揮し続けています。

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