ディスカバリー (エレクトリック・ライト・オーケストラのアルバム)

ELO ディスカバリー (Discovery) - ディスコサウンドへの大胆な変貌

エレクトリック・ライト・[[オーケストラ]] (ELO) が1979年に発表したアルバム『ディスカバリー』は、バンドの音楽性を大きく転換させた作品として知られています。アルバムタイトルは、リチャード・タンディの「very disco（すごくディスコ向き）」という言葉から生まれたという逸話が残るほど、ディスコ調の楽曲が前面に押し出されています。

概要

リーダーであるジェフ・リンが再婚を控えていた時期に制作されたこともあり、アルバム全体を通してラブソングが多いのも特徴です。これまでELOは、ストリングスを多用した壮大なスケールの作品が多かったのですが、本作ではストリングス担当メンバーを解雇し、ストリングスは大編成のオーケストラによって演奏されています。また、シンセサイザーをこれまで以上に積極的に使用し、楽曲自体もポップでコンパクトなものへと変化を遂げました。

この大胆な路線変更は結果的に大きな成功を収め、ELOは新たなファン層を獲得しました。次作『タイム』ではストリングスの使用がさらに減少し、キーボードサウンドが中心となったため、『ディスカバリー』はストリングスをフィーチャーしたELOサウンドを聴ける最後のオリジナルアルバムとなりました。

アルバムには、「シャイン・ラヴ」「ロンドン行き最終列車」「ドント・ブリング・ミー・ダウン」など、ELOの代表曲が多数収録されています。2001年にはリマスター盤が発売され、未発表曲やデモ・ヴァージョンがボーナス・トラックとして追加されました。

セールス

『ディスカバリー』は全英アルバムチャートで5週間1位をキープし、1979年の年間アルバムチャートでも2位を獲得する大ヒットを記録しました。アメリカでも5位まで上昇し、200万枚を売り上げました。世界的なセールスで見ると、ELOのアルバムの中で最も成功した作品となっています。

収録曲について

シャイン・ラヴ (Shine A Little Love)
アルバムを象徴するようなディスコソングで、シングルカットもされました。
コンフュージョン (Confusion)
「ロンドン行き最終列車」と両A面でシングルカットされました。シンセサイザーが多用されたサウンドが特徴です。
ニード・ハー・ラヴ (Need Her Love)
ホレスの日記 (The Diary Of Horace Wimp)
シングルカットされました。ホレスという名の若者の恋物語を日記形式で語る楽曲で、前作『アウト・オブ・ザ・ブルー』収録の「ミスター・ブルー・スカイ」を彷彿とさせる曲調です。「コンフュージョン」と並んでヴォコーダーが多用されています。
ロンドン行き最終列車 (Last Train To London)
「コンフュージョン」と両A面でシングルカットされました。
ミッドナイト・ブルー (Midnight Blue)
オン・ザ・ラン (On The Run)
アルバムの中で唯一シングルカットされていない楽曲です。ジェフ・リン曰く、イントロは「世界一苛立つイントロ」を目指して作られたとのことです。
ウィッシング (Wishing)
ドント・ブリング・ミー・ダウン (Don't Bring Me Down)
レコーディングの最終段階で書かれた楽曲で、ELOの楽曲としては初めてストリングスが一切使用されていません。シングルカットされ、大ヒットしました。これまでのELOのイメージを刷新する上で重要な役割を果たした楽曲です。

リマスター盤ボーナス・トラック

オン・ザ・ラン (ホーム・デモ) - On The Run (Home Demo)
セカンド・タイム・アラウンド (ホーム・デモ) - Second Time Around (Home Demo): 未発表デモ。
リトル・タウン・フラート - Little Town Flirt: 未発表曲。デル・シャノンのカバー。

『ディスカバリー』は、ELOの音楽的な冒険心と、時代を捉えるポップセンスが融合した傑作として、今もなお多くの音楽ファンに愛され続けています。

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