ディスコミュニケーション

ディスコミュニケーション

『ディスコミュニケーション』は、植芝理一による日本の漫画作品。1992年から2000年まで『月刊アフタヌーン』で連載され、単行本は全17巻が発行されました。後に新装版も発売されています。

概要

物語は、ごく普通の女子高生である戸川安里香が、同級生の松笛たか臣に突然恋をしてしまうことから始まります。松笛は奇妙な言動を繰り返し、戸川に耳掃除や涙を飲むことなどを要求します。戸川は戸惑いながらも、松笛の奇妙な要求に応えつつ、彼に惹かれていきます。

作品は恋愛をテーマにしていますが、民俗学、神道、心理学などの要素が複雑に絡み合っており、独特の世界観が特徴です。作中には、特撮、漫画、映画、アニメ、小説など、さまざまなジャンルのパロディが散りばめられています。

物語は、初期エピソード群（冥界編）、冥界編、学園編、内宇宙編、精霊編の5つのパートに分かれています。

タイトルの「ディスコミュニケーション」は「相互不理解」を意味しますが、作者自身もなぜこのタイトルにしたのかわからないと語っています。

あらすじ

女子高生の戸川安里香は、同級生の松笛たか臣に一目惚れし、告白します。松笛は戸川を自宅に招き入れますが、そこは奇妙な像やお札が散乱する廃屋のような場所でした。松笛は戸川に「襟足を剃ってみたい」と奇妙な要求をし、戸川は戸惑いながらもそれを受け入れます。

こうして二人は付き合うことになりますが、松笛はキスやそれ以上の関係を求めることはなく、耳掃除や涙を飲むことなどを要求します。戸川は松笛の真意を測りかね、自分が本当に彼のことを好きなのか疑問を抱き始めます。

そんな中、戸川は中学時代の彼氏である香坂彰治と再会し、松笛の目の前でキスをされてしまいます。しかし、松笛の態度は変わりません。戸川は香坂を利用して松笛の気を引こうとしますが、効果はありません。戸川はついに松笛に怒りをぶつけますが、キスをされても特別な感情は抱けませんでした。

戸川は、自分がなぜ松笛を好きになったのかという疑問を解き明かすため、松笛と行動を共にすることを決意します。そして、さまざまな不思議な体験を通して、真実を探し求めていくのです。

各編の紹介

冥界編: 多層世界と世界の真理、死や運命といった深遠なテーマを描く長編。戸川と松笛が異世界で出会い、さまざまな試練に立ち向かいます。本来高校で出会う筈のなかった戸川と松笛。戸川は本来『松笛とは別の存在』と出会い結ばれ、添い遂げる筈だった。
学園編: 高校生活を中心に、主人公とその周辺で起こる出来事を描いた物語。ギャグ要素が多く、作者の趣味が色濃く反映されています。
内宇宙編: 初期の頃の作風に戻りながらも、戸川と松笛が狂言回し的な役割を担うエピソードが多いのが特徴です。
精霊編: 半年間眠り続けた少女を巡り、「人はなぜ誰かを好きになるのか」というテーマに三島塔子・燐子姉妹が挑む物語。戸川と松笛は脇役として登場します。

『ディスコミュニケーション』は、一見すると奇妙な恋愛漫画ですが、その奥には人間の心理や世界の真理に迫る深いテーマが 숨겨져 있습니다. 独特な世界観と魅力的なキャラクターたちが織り成す物語を、ぜひ体験してみてください。

もう一度検索