ディセンバー・メモリー

荻野目洋子のシングル「ディセンバー・メモリー」は、1984年11月5日、ビクター音楽産業から発売されました。彼女の3枚目のシングルとして世に送り出されたこの作品は、オリコンチャートで最高39位を記録するなど、当時から注目を集めていました。

表題曲である「ディセンバー・メモリー」は、花王の洗顔料「ビオレU」のCMソングとして使用されました。CMとのタイアップによって、楽曲の知名度はさらに高まり、多くのリスナーの耳に届くこととなりました。

作詞は三浦徳子、作曲は井上大輔という、当時から実力派として知られていた作家陣が担当。三浦徳子の繊細な詞と、井上大輔のメロディーセンスが見事に融合した、美しいバラードに仕上がっています。編曲は船山基紀が担当し、洗練されたサウンドプロダクションによって、楽曲の世界観をより一層引き立てています。

カップリング曲の「雨とジャスミン」も、作詞：三浦徳子、作曲：井上大輔という豪華な布陣。編曲は萩田光雄が担当しており、表題曲とは異なる雰囲気を持つ、聴き応えのある楽曲です。A面、B面共に、作詞・作曲陣の力量が光る、完成度の高い作品と言えるでしょう。

「ディセンバー・メモリー」は、荻野目洋子にとって転換期となる作品の一つでした。このシングル発売頃から、「荻野目ちゃん」という愛称で呼ばれるようになったと、本人が25周年記念のブックレットで語っています。その愛称のきっかけは、片岡鶴太郎がテレビ番組の中でそう呼んだことに由来しているそうです。この愛称は、親しみやすさと同時に、彼女の親しみやすいキャラクターを反映したものと言えるでしょう。

「ディセンバー・メモリー」は、80年代の音楽シーンを彩った名曲の一つとして、現在でも多くのファンから愛され続けています。その美しいメロディーと、心に響く歌詞は、時代を超えて人々の心を捉え続けていると言えるでしょう。楽曲の持つ繊細さと力強さは、荻野目洋子の歌唱力によってさらに際立ち、聴く者の心に深く刻まれる名曲となっています。当時を知る世代には懐かしい思い出を呼び起こし、初めて聴く世代にも新鮮な感動を与える、普遍的な魅力を持つ作品です。

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