ディファイアント級

ディファイアント級宇宙艦について

ディファイアント級（Defiant class）は、アメリカのSFドラマ・映画『スタートレック』シリーズに登場する架空の宇宙艦の一つであり、惑星連邦宇宙艦隊が保有する艦級です。この級の名前「ディファイアント」は、英語で「挑戦的な」という意味を持ち、まさにその名の通り、強力な戦闘能力を誇ります。

概要

ディファイアント級は、全長170メートル、デッキ数5、約50名の乗員を有しています。代表的な艦であるU.S.S.ディファイアント NX-74205は、24世紀後半の設定で『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』に登場します。この級は、特に戦闘を目的として開発された宇宙艦であり、惑星連邦防衛のための政府としての役割を果たす一方、平時には外交や未知の宇宙の探査、科学調査などを行う宇宙艦隊の中では異彩を放っています。

ボーグの脅威が増大した2366年以降、宇宙艦隊は新兵器の開発に乗り出し、これがディファイアント級の設計に繋がります。元々は戦艦としての配属が予定されていましたが、ボーグの脅威が薄れる中、設計上の欠陥が明らかになり、量産計画は一時見送られることになります。しかし、2370年代に入るとドミニオンの脅威が増し、U.S.S.ディファイアントがDS9に配備され、実地での運用が進む中で様々な改良が施され、最終的には量産体制に移行しました。

特徴

ディファイアント級の最も顕著な特徴は、その卓越した戦闘能力です。分類上は護衛艦に属しますが、戦闘を主な目的として設計された艦であり、高出力のクラス7ワープエンジンを搭載しつつも、攻撃を回避しやすい小型の船体構造を持ちます。武装も充実しており、船体の大半は防御シールドやフェイザー、光子魚雷の格納庫などに割かれています。そのため、一般的な連邦艦に備わっている科学ラボやホロデッキ、艦長室などは軽視され、医療室も非常に簡易なものとなっています。

仲間からの攻撃を受けながらも高い出力を維持するため、特にパルス型フェイザーキャノンが特徴的です。これは従来のビーム型フェイザーとは異なり、まるで機関銃のように発射することができ、エネルギー密度も高く設定されています。また、ワープコアから直接のパワー供給が可能という独自の設計によって、その性能はさらに引き上げられています。加えて、通常のビーム型フェイザータレットが何門も配置され、光子魚雷や量子魚雷を大量に積載可能です。

しかし、この小型船体に対して過剰なパワーを持つエンジンと武器の搭載によって、設計上の欠陥が数多く見られるのも事実です。そのため、1番艦での運用によって改良が行われ、問題点は徐々に解消されていきました。

ディファイアント級宇宙艦一覧

• - U.S.S.ディファイアント (U.S.S. Defiant NX-74205): 1番艦
• - U.S.S.サン・パウロ (U.S.S. São Paulo NCC-75633): 大破したディファイアントの代艦で、後にこの名を受け継ぐ。
• - U.S.S.ヴァリアント (U.S.S. Valient NCC-74210): 特定の艦に配属されたがドミニオンの攻撃を受けて喪失。
• - U.S.S.ディファイアントC (U.S.S. Defiant-C NCC-75633-C): 2400年代に存在した艦。
• - U.S.S.フロックス (U.S.S. Phlox): 考古学的任務を行った艦。

ディファイアント級は、これまでの宇宙艦隊における戦闘艦設計の概念を一新し、戦闘を主眼とした新たな時代を切り開いた重要な艦級と言えるでしょう。

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