ディミトリ・コニシェフ(Dimitri Konyshev)は、
1966年生まれ、
ロシア出身の元自転車プロロードレース選手です。1989年にプロデビューし、2006年に引退するまで、主にステージレースの区間優勝を狙うスプリンターとして活躍しました。
卓越したスプリント能力と戦略
コニシェフは、マリオ・チポリーニやエリック・ツァベルのような圧倒的なパワーを誇るスプリンターではありませんでしたが、卓越した戦術眼と狡猾さを持ち味としていました。時には「死んだふり」をするような駆け引きで対戦相手を惑わせ、勝利をもぎ取ることもありました。そのクレバーな走りで、通算40勝という実績を積み上げました。
グランツールでの活躍
コニシェフは、グランツール(ツール・ド・フランス、
ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャ)で数々の区間優勝を飾っています。ツール・ド・フランスでは、1990年に区間初優勝を飾り、その後も1991年、1999年と勝利を重ねました。
ジロ・デ・イタリアでは、1993年に2勝、1997年と2000年に各1勝を挙げています。また、ブエルタ・ア・エスパーニャでも1996年に1勝を記録しています。特に2000年の
ジロ・デ・イタリアでは、34歳というベテランの域に達しながらスプリント賞(マリア・チクラミーノ)を獲得し、その健在ぶりを示しました。
チームへの貢献と陽気な人柄
コニシェフは、旧共産圏出身の選手でありながら、西側諸国のチームにもすぐに溶け込みました。その陽気な人柄とコミュニケーション能力で、チームメイトからの信頼も厚く、チームの勝利に大きく貢献しました。
引退後
引退後は、スポーツディレクターとしてチームを支えています。自身の経験を生かし、若手選手の育成にも力を注いでいます。
主な戦績
ツール・ド・フランス:区間優勝4回 (1990, 1991x2, 1999)
ジロ・デ・イタリア:区間優勝4回 (1993x2, 1997, 2000)、スプリント賞 (2000)
ブエルタ・ア・エスパーニャ:区間優勝1回 (1996)
その他:ソビエト連邦選手権優勝 (1990)、
ロシア選手権優勝 (1993, 2001)、コッパ・サバティーニ優勝 (1999, 2001)など
所属チーム
1989-1990: Alfa Lum
1991-1992: TVM
1993-1994: Jolly Club 88
1995-1996: AKI
1997: Roslotto-ZG Mobili
1998-1999: Mercatone Uno-Bianchi
2000-2002: Fassa Bortolo
2003: Marlux-Wincor Nixdorf
* 2004-2005: Team LPR