デイズ・オブ・グローリー

『デイズ・オブ・グローリー』（原題：Indigènes）は、2006年に制作されたアルジェリア、フランス、モロッコ、ベルギーの合作映画です。ラシッド・ブシャールが監督を務めました。この作品は、2007年度のアカデミー賞最優秀外国語映画賞にノミネートされ、カンヌ国際映画祭では、主役を演じた5人の俳優がそれぞれ最優秀男優賞を受賞するという栄誉に輝きました。

物語の背景

映画の舞台は第二次世界大戦下。フランス軍に志願兵として参加した、アルジェリア、モロッコ、セネガルなど、フランス植民地出身の兵士たちの姿を描いています。彼らはフランスのために戦うことを誓いますが、その待遇は本国のフランス兵とは大きく異なり、人種差別や不平等な扱いに直面します。

あらすじ

物語は、アルジェリア人青年サイードがフランス軍に志願するところから始まります。サイードは、同じ村出身のヤシールやアブデルカデらと共に戦場へ赴きます。彼らは、ドイツ軍との激しい戦闘を経験する中で、友情を深め、勇敢に戦います。しかし、彼らを待ち受けていたのは、差別的な待遇でした。食事や装備の質、昇進の機会など、あらゆる面でフランス兵との間に大きな格差が存在しました。それでも彼らは、フランスのために戦い続け、数々の困難を乗り越えていきます。

キャスト

サイード：ジャメル・ドゥブーズ
ヤシール：サミー・ナセリ
ロシュディ・ゼム
アブデルカデ：サミ・ブアジラ
ベルナール・ブランカン
マチュー・シモネ
メラニー・ロラン

作品の意義

『デイズ・オブ・グローリー』は、これまで語られることの少なかった、植民地出身兵士たちの視点から第二次世界大戦を描いた作品として、大きな反響を呼びました。彼らの犠牲と貢献、そして不当な扱いを浮き彫りにすることで、歴史の暗部に光を当て、社会的な議論を喚起しました。また、この映画の成功は、フランス政府が退役軍人への年金制度を見直すきっかけになったとも言われています。

受賞と評価

アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
* カンヌ国際映画祭 男優賞受賞

この作品は、史実に基づきながらも、ドラマティックなストーリー展開と、迫力ある戦闘シーンで、観客を魅了します。人種差別や戦争の不条理さといったテーマを深く掘り下げながら、人間の尊厳や希望を描き出した作品として、高く評価されています。

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