デイタイム・エミー賞

デイタイム・エミー賞について

デイタイム・エミー賞（Daytime Emmy Award）は、アメリカ国内の優秀な昼間のテレビ番組やその製作者、および出演者を蒸し出す権威ある賞です。この賞は、ニューヨークを拠点とする全米テレビ芸術科学アカデミー（NATAS）によって授与され、毎年5月または6月に授賞式が開催されています。

歴史的背景

この賞の起源は、1949年1月に開催された第1回のエミー賞授賞式にまで遡りますが、デイタイム番組の特別表彰は1972年にプライムタイム・エミー賞授賞式で初めて行われました。その際、『ザ・ドクターズ』と『ジェネラル・ホスピタル』が最優秀昼ドラマにノミネートされ、最終的には『ザ・ドクターズ』が栄冠を手にしました。また、最優秀昼ドラマ出演者は『オール・マイ・チルドレン』のメアリー・フィケットが受賞しました。

独立したデイタイム番組の授賞式は1974年にニューヨークのロックフェラー・センターで行われ、それ以降、授賞式は長年にわたりニューヨークで開催されてきました。ただし、2006年からはロサンゼルスのコダック・シアターに会場が移り、以降はロサンゼルスでの開催が続いています。これは、昼ドラマの制作がニューヨークからロサンゼルスにシフトしたためでもあります。

興味深いことに、デイタイム番組の出演者は限られているため、同じ人物が何度もノミネートされる傾向があります。その中で特に有名なのが、スーザン・ルッチです。彼女は『オール・マイ・チルドレン』の出演者として知られ、1999年にデイタイム・エミー最優秀女優賞を受賞するまでに、実に18回もノミネートされています。このことから、「スーザン・ルッチ」という名は、「賞にノミネートされても受賞できない人」の代名詞として広まっています。

選考規則

デイタイム・エミー賞にノミネートされる番組は、特定の期間内にアメリカのテレビで放映されている必要があります。「全米デイタイムの番組」として認められるためには、午前2時から午後6時までに、全米の50％以上で放送される必要があります。また、エントリーされた番組は、他のエミー賞にエントリーできない仕組みになっています。

特に2003年からは、組織票に対する批判に配慮し、全てのドラマ出演者部門で追加の投票ラウンドを実施するようになりました。これにより、より多くの候補者が選考に参加できるようになっています。さらに、1980年代からのケーブルテレビの登場により、1999年以降はケーブルテレビの番組も対象に含まれるようになり、2013年からはウェブテレビの番組も加わりました。

授賞式とその媒体

授賞式は長らく昼間に放送されていましたが、1991年以降はプライムタイムに移行しました。しかし、視聴率の低迷から近年は、一部の放送局が中継を撤退し、2014年には初めてテレビ放映が行われずネット配信のみとなりました。

部門概要

デイタイム・エミー賞には多くの部門が存在します。番組部門には、「ドラマシリーズ」「ゲーム番組」「トーク番組」などがあり、出演者部門では主演・助演の男優・女優が、それぞれノミネートされる仕組みです。他にも、監督部門や作家部門、さらにはスペイン語の番組向けの部門も設けられています。

今回の2023年の授賞式は、全米脚本家組合とSAG-AFTRAのストライキの影響で無期延期となり、12月15日に実施されることが決まっています。こうした影響からも、デイタイム・エミー賞の運営は常に変動していることがうかがえます。

結論

デイタイム・エミー賞は、昼間のテレビ番組の質向上を目指し、業界の貢献を讃える重要な賞です。多様な部門にわたる表彰は、さまざまなジャンルや形式の番組を称えることで、視聴者への新たな魅力を提供しています。

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