デオキシリボヌクレアーゼ

デオキシリボヌクレアーゼは、DNA（デオキシリボ核酸）を分解する働きを持つ酵素のグループを指します。一般的にはDNase（ディーエヌアーゼ、またはディーエヌエース）とも呼ばれています。

これらの酵素は、DNA分子を構成するヌクレオチド間の結合であるホスホジエステル結合を切断することにより作用します。この作用の結果、長いDNA鎖は、より短いオリゴヌクレオチドや単一のモノヌクレオチドへと分解されます。

DNaseは、その作用様式によって大きく二つの種類に分類できます。一つはエキソヌクレアーゼと呼ばれるもので、これはDNA鎖の末端からヌクレオチドを順次切り離していくタイプです。もう一つはエンドヌクレアーゼで、これはDNA鎖の途中、すなわち内部のホスホジエステル結合をランダムあるいは特定の場所で切断するタイプです。

さらに、DNaseは切断するホスホジエステル結合の位置によっても分けられます。DNAの糖部分の3'側の結合を切断するものと、5'側の結合を切断するものがあります。

前者の例としては、デオキシリボヌクレアーゼI（DNase I）が知られています。この酵素は主に3'側の結合を切断します。後者の代表例としては、デオキシリボヌクレアーゼII（DNase II）があり、こちらは5'側の結合を切断する性質を持ちます。

特殊な性質を持つDNaseも存在します。例えば、二本鎖DNAに対しては作用しないが、一本鎖DNAのみを選択的に分解する酵素なども確認されています。

これらのDNaseは、バクテリアからヒトに至るまで、ほとんど全ての生物の体内に存在しています。体内では、DNAの修復や複製、遺伝子発現の調節など、様々なDNA代謝プロセスにおいて重要な役割を担っています。このように、DNaseは生命活動において不可欠な酵素群と言えます。

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