デジモンアクセル

デジモンアクセルは、玩具メーカーであるバンダイが手掛けた人気の電子ゲームシリーズ、「デジタルモンスター」のラインナップに加えられた革新的な商品です。従来の携帯型液晶ゲームとは一線を画す、独特の操作感とシステムが大きな特徴となっています。

この「デジモンアクセル」が市場に登場したのは、2005年のことです。従来のデジタルモンスターやデジモンペンデュラムといったシリーズ商品が、ボタン操作を主体としていたのに対し、デジモンアクセルでは本体下部に設けられたグリップを握るというユニークな操作方法を採用しました。これにより、デジモンを育成したり、バトルを行ったりする際に、より直感的で体感的な操作が可能になったのです。

システム面では、デジモンの進化を決定する重要な要素として「DNA（DIGIMON NATURAL ABILITY）」システムが導入されました。このDNAは、竜、獣、鳥、虫、暗黒、聖、水、機械という8つの属性に分類されており、育成中のデジモンがどのDNAを取り込むかによって、次に進化する形態が変化します。これは、これまでの成長期→成熟期→完全体といった系統的な進化に加え、より多様で予測不能な育成ルートを生み出す要素となりました。

また、このDNAや、ゲーム内で役立つ様々なアイテムを入手するための特別な機能として、「マトリクス通電センサ」が本体に搭載されていました。このセンサ部分を、人間の皮膚（例えば指先など）や、別売りの拡張アイテムである「デジモンデータプレート（DDP）」と接触させることで、データが転送され、ゲーム内にDNAやアイテムが反映される仕組みでした。この機能は、プレイヤー自身がゲームに関与するという点で、非常にインタラクティブな体験を提供しました。

デジモンアクセルは、そのユニークなシステムだけでなく、複数の本体バリエーションが発売されたこともコレクターやファンの注目を集めました。

最初に登場したのは、2005年3月下旬に同時発売された「ジャスティスゲノム」と「エビルゲノム」です。「ジャスティスゲノム」のパッケージには正義の味方であるバンチョーレオモンが描かれ、同梱のDDPもバンチョーレオモンのものでした。一方、「エビルゲノム」は悪のデジモン、ダークドラモンがパッケージを飾り、同梱DDPもダークドラモン仕様となっていました。

続いて、2005年7月下旬には、自然をテーマにした「ネイチャーゲノム」が登場しました。このモデルは、アースオレンジ、フォレストグリーン、スカイブルー、グランブルーという四つのカラーバリエーションで展開されました。プログラム自体はどのカラーも同一でしたが、それぞれ異なるデジモンのDDPが同梱されていました。アースオレンジにはスピノモン、フォレストグリーンにはメルクリモン、スカイブルーにはヴァロドゥルモン、そしてグランブルーにはネプトゥーンモンのDDPが付属し、様々なデジモンを育成・入手できるようになっていました。

そして、2005年11月19日には、シリーズの新たな展開として「アルティメットゲノム」が発売されました。このモデルは、当時のメディアミックス作品『デジタルモンスター ゼヴォリューション』の主人公デジモンであるドルモンがゲーム内に登場するという点が大きな特徴でした。カラーバリエーションはロイヤルレッドとヘルブルーの二種類があり、ロイヤルレッドには聖騎士型デジモンのスレイプモン、ヘルブルーには魔王型デジモンのベルゼブモンのDDPがそれぞれ同梱されていました。

デジモンアクセルは、従来のシリーズの魅力を踏襲しつつ、独自の操作方法やDNAシステム、そして体感的なデータ入手機能といった新たな要素を取り入れた意欲的な商品でした。様々なバリエーション展開も行われ、当時のデジモンファンに新たな育成・バトルの楽しみを提供しました。

もう一度検索