デトロイト市街地コース

デトロイト市街地コースの概要

デトロイト市街地コースは、アメリカのミシガン州デトロイト市中心部で利用される公道サーキットです。このサーキットは1982年から1991年までF1やCARTのレースが行われており、特に歴史的な意義のある場所です。1992年以降は、近くのベル・アイル・パークに設けられた別の市街地コースに移行しましたが、2023年に再びデトロイト市内でコースがリニューアルされ、インディカー・シリーズの舞台となりました。

F1の時代

デトロイト市街地コースは、1982年から1984年まで「アメリカ東グランプリ」という名称で、1985年から1988年までは「アメリカグランプリ」としても知られていました。また、デトロイトGPという名称でも広く親しまれていました。この期間、アメリカはF1において重要な市場の一つでした。しかし、1980年にニューヨークのワトキンズグレンでの開催が終了し、その後の開催地としてデトロイトが選ばれました。この流れにより、ロス近郊のロングビーチと共にアメリカにおけるF1レースの二大開催地の一つとなりました。

F1の開催終了後は、1989年から1991年までCART（Championship Auto Racing Teams）がレースを行いましたが、市の経済的な事情から1992年にはベル・アイル・パーク市街地コースにコースが移されました。この変更は、地域経済を考慮した結果であり、新しいコースでもパフォーマンスと観客の楽しみが両立することが求められました。

2023年のリニューアルとインディカー・シリーズ

2021年11月、インディカー・シリーズとIMSAスポーツカー選手権の併催イベント「デトロイトGP」が、2023年からデトロイト市街地で開催されることが正式に発表されました。これにより、かつてのデトロイトGPの名を再び冠したイベントが新たにスタートを切ることとなります。

コースのレイアウト

新しいデトロイト市街地コースでは、GM本社があるルネサンス・センターを経由し、ジェファーソン通りを駆け抜けるコースレイアウトが採用されました。1991年までのコースは、18のコーナーを持つ非常に技術的な低速レイアウトであり、特に狭いシケインが記憶に残ります。しかし、2023年からの新コースではコーナー数が18から9に減少し、全体的に短くなりました。このレイアウト変更により、よりモダンでスピーディなレース展開が期待できます。

新コースでは、旧コースのうち2つのコーナーのみが再利用されており、また0.7マイル（約1.1キロメートル）のストレートセクションが新たに設けられました。観客にとっては、よりインタラクティブで迫力のあるレース観戦が可能となるでしょう。

過去のレイアウト

旧市街地コースでは直角ターンが連続し、競技者は慎重な運転が求められました。特にモナコのトンネルと類似の構造を持つトンネル部分では、非常に暗い空間を通過するという独特の体験がありました。このたびのリニューアルにより、懐かしい要素を残しつつも、現代的な魅力が加わったデトロイト市街地コースが再び脚光を浴びることでしょう。

まとめ

デトロイト市街地コースは、その歴史とともに進化を遂げています。1982年から1991年までのF1、そしてその後のCARTの時代を経て、新たにインディカー・シリーズが開催されることにより、デトロイトは再びモータースポーツの中心地となることが期待されています。

もう一度検索