デハラユキノリ

デハラ ユキノリ

デハラ ユキノリ（ではら ゆきのり）は、1974年に高知県高知市で生まれた日本のイラストレーターです。本名は出原幸典。土佐高等学校を卒業後、大阪芸術大学デザイン学科で学びました。大学卒業後は京都の広告代理店に就職しましたが、その後独立し、現在は東京を拠点に活動を展開しています。

フィギュアイラストレーターとしての独自のスタイルを確立しており、粘土やソフトビニールなどで制作した立体物を組み合わせたイラストレーションやアートワークを数多く生み出しています。その作品に登場するキャラクターたちは、ユーモラスでどこか哀愁を帯びた表情や、現実と非現実が入り混じったシュールな世界観が特徴です。

作家活動と国際的な展開

作家活動も精力的に行っており、個展を年間4回から6回ほどのペースで開催しています。発表の場は国内にとどまらず、東京をはじめ、台湾、香港、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、メルボルンなど、世界の主要都市でも積極的に作品を発表し続け、国際的な評価も高まっています。年間で制作するフィギュアは推定約300体にも上り、その膨大な作品群を被写体としたフィギュア写真集も多数出版しており、写真家としての側面も持っています。

広範な仕事と著名なコラボレーション

デハラ氏は、広告、書籍の装丁、雑誌の挿絵など、幅広い分野でその才能を発揮しています。特に注目を集めた仕事としては、2008年に森永製菓のロングセラー商品「きのこの山」のCMキャラクター「きの山さん」のデザインを担当したことが挙げられます。また、人気音楽グループいきものがかりのベストアルバム「いきものばかり」のジャケットイラスト（2010年）を手がけるなど、ジャンルを問わず著名なプロジェクトに参加しています。

その他にも、NIKEやタワーレコード、ASICSヨーロッパといった企業との広告でのコラボレーションや、DEHARA x CONVERSE名義でのスニーカーデザイン（2007年）など、国内外の様々なブランドやメディアと協業しています。

ユニット活動とメディアでの展開

個人名義での活動に加え、イラストレーターの金子ナンペイ氏らと共に「メンペ」(Tokyo Men's Painter Society)というユニットを結成し、多岐にわたる活動を行っています。「メンペ展」という独自の展覧会をはじめ、路上ライブやインターネットラジオ番組など、自由な形式での表現活動を展開しています。

また、カプセルトイやUFOキャッチャーなどの商品開発にも深く関わっており、「世界のパンチラ」シリーズや「めんた君」といった人気商品を世に送り出しています。地元高知県では、高知放送で自身の名を冠したラジオ番組「デハラユキノリのヨルラジオ」（2016年開始）のパーソナリティを務めるなど、メディアでの露出も豊富です。さらに、ワークウェアブランド「ワークウェイ」とコラボレーションしたアパレルライン「DEHARA YUKINORI WORKERS COLLECTION」（2020年）を発表するなど、活動の幅は広がり続けています。

ユニークな企画とエピソード

近年は、特定のモチーフに特化したユニークな展示企画も開催しています。その代表格である「ちんぽ会議」は、特定のモチーフのソフトビニール人形などを複数のアーティストと共に展示・販売するイベントで、2023年、2024年に東京や名古屋で開催され話題となりました。

また、プライベートなエピソードとして、地元高知の伝統的な祭り「どろめ祭り」の名物行事「大杯飲み干し大会」に毎年参加していることでも知られています。2024年には、豪快に清酒一升を飲み干し、見事優勝を飾るという一面も持っています。

主な作品リスト

書籍

『サトシ君のリストライフ』（リトル・モア）
『ジバコレ』（扶桑社）
『THE JINGI』（ボルテージBOOK）
『お野菜戦争』（長崎出版）
『サトシくんとめんたくん』（長崎出版）
『ケーキーズ』（長崎出版）
『ちゅーとにゃーときー』（長崎出版）
『めんたくんのたんじょうび』（長崎出版）
『とびだせ！チンタマン』（TO books、板橋雅弘共作）
『とびだせ！チンタマン〜こどもてんさいきょうしつ〜』（TO books、板橋雅弘共作）

DVD

『ケーキーズ』（アスミックエース、監督作品）
乃木坂46（伊藤寧々個人PV）※監督として参加

主な商品

『ヴァニマルズー』（ソニー・クリエイティブプロダクツ）
『サラリーメンズ』（ユージン）
『世界のパンチラ』（奇譚クラブ）
『ビアガール』（奇譚クラブ）
『動物と女』（奇譚クラブ）
『OH!辛口めんた君』（システムサービス）

デハラユキノリは、既成概念にとらわれない自由な発想と独特の造形センスで、イラストレーション、アート、デザイン、商品開発など、様々な領域を横断しながら活動を続け、唯一無二の世界観で多くの人々を魅了しています。

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