デューン/砂の惑星 (1984年の映画)

『デューン/砂の惑星』について

1984年に公開された映画『デューン/砂の惑星』は、アメリカのSF映画の金字塔とも言える作品です。この映画は、フランク・ハーバートの名作小説『デューン砂の惑星』を原作としており、監督はデイヴィッド・リンチが務めました。主演にはカイル・マクラクランやショーン・ヤング、マックス・フォン・シドーなど、多彩なキャストが揃っています。

物語の舞台

物語は、砂に覆われた過酷な惑星アラキス、通称デューンを舞台に展開します。この惑星は、宇宙で最も重要な資源である「メランジ」というスパイスが採れる場所であり、さまざまな勢力がその支配を巡って争いを繰り広げます。スパイスは人々の寿命を延ばし、精神的な能力を増強するため、重要な役割を果たしています。

主なキャストとスタッフ

映画の主要キャストには、アトレイデス家の若き公爵ポールを演じるカイル・マクラクランをはじめ、ハルコネン男爵を演じるデイヴィッド・ドゥカバニー、ポールの母親を演じるフランチェスカ・アニスがいます。また、音楽はブライアン・イーノやTOTOが手掛け、作品の雰囲気をさらに引き立てています。

日本では、1988年や1990年に別バージョンがテレビ放映されたこともあり、多くのファンに親しまれています。特に1988年の再編集版は、日本テレビ版とテレビ朝日版が収録され、過去の名作を振り返る機会となりました。

制作の背景

『デューン』の映画化は様々な紆余曲折を経て実現しました。当初、1971年に映画化権が取得され、アーサー・P・ジェイコブスがプロデューサーとして熱心にプロジェクトを進めていましたが、彼が急死したために計画は頓挫しました。その後、アレハンドロ・ホドロフスキーが監督に名前が挙がりましたが、制作費の問題から撮影に至ることはありませんでした。

最終的には企画がディノ・デ・ラウレンティスの手に引き継がれ、デイヴィッド・リンチが監督に起用されました。リンチは当初の原作のスケールを反映した展開を試みましたが、最終的に公開された映画は約2時間以内に編集され、内容の深まりが不足しているとの批判を受ける結果となりました。

評価と影響

公開後、本作は評価が分かれることとなり、多くのSFファンや原作ファンから不評を買いました。その内容は「ダイジェスト版」とも称され、原作の壮大な世界観を再現することには失敗したとの意見が多く見られました。しかし、リンチの特異な映像美やシュールな演出は、カルト的な評価を得る要因ともなり、映画マニアの間では一定の支持を集めています。

また、1996年のイギリスの音楽バンド「ジャミロクワイ」がリリースしたアルバム「トラベリング・ウィズアウト・ムービング」のタイトルは、本作からインスパイアを受けたものとして知られており、映画の影響は音楽にも及んでいます。

過去と未来

『デューン/砂の惑星』は、その後も再映画化の試みが続けられており、2000年代初頭にはテレビドラマシリーズが制作されました。さらに、2017年にはドゥニ・ヴィルヌーヴによって新たな映画化が発表され、多くのファンにとって期待される存在となっています。この新たな映像化がどのように原作の魅力を表現するか、多くの目が注がれています。

もう一度検索