デルタフォース

デルタフォースの概要

デルタフォース（正式名称：第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊）は、アメリカ陸軍の特殊部隊であり、主に対テロ作戦に従事します。指揮は米陸軍の特殊作戦軍団に属し、他にも「タスクフォース・グリーン」や「CAG」といった呼称でも知られています。1977年に設立されたこの部隊は、イギリス陸軍特殊部隊SASをモデルにしているとされ、その影響は組織や訓練方法に見られます。

創設の背景

デルタフォースは、国防総省のアメリカ陸軍志願者チャールズ・アルヴィン・ベックウィズ大佐の提案に基づいて設立されました。彼は、ドイツのGSG-9部隊がソマリアでのハイジャック事件で成果を上げたことに刺激を受け、アメリカ国内にも対テロに特化した特殊部隊が必要であると考えました。

部隊の任務と特徴

デルタフォースは、通常4人一組のチームで行動します。隊員は近接戦闘の専門家であるのみならず、その地域の言語にも精通する必要があります。任務の性質上、民間人に偽装することもあるため、髪型や服装の自由度も高いです。彼らは民間警備会社のスタッフのような服装で活動することもあります。

部隊の訓練施設はノースカロライナ州フォートブラッグにあり、厳重な秘密に守られた中で行われます。この施設には、現代的な射撃場や潜水プールなどが完備され、様々なテロシナリオを想定した模擬訓練が行われています。中でも「恐怖の館」と呼ばれる施設は、人質救出やCQB訓練を行うための特別な訓練場所として設計されています。

入隊条件

デルタフォースへの入隊は厳しい学歴や体力条件が求められます。米国籍であることや一定の航空身体検査をクリアする必要があり、志願者としての義務も伴います。また、士官または下士官によって追加条件が異なります。選考を通過した者は、さらに1か月間の評価選抜過程と6か月の戦闘員訓練課程を受ける必要があります。

主な作戦

デルタフォースは歴史的に多くの重要な任務に関与しています。1980年のイランアメリカ大使館人質事件を開始とし、以降もグレナダ侵攻や湾岸戦争、さらには現在の対テロ作戦まで、数多くの歴史的な作戦に参加してきました。特に「ゴシック・サーペント作戦」は、その後の映画『ブラックホーク・ダウン』の題材にもなり、部隊の活動が広く知られるきっかけとなりました。

歴史と影響

デルタフォースは、設立以来、アメリカ陸軍の特殊作戦部隊の中でも重要な役割を果たしており、他国の特殊部隊にも影響を与えています。部隊の方法論や訓練プログラムは今や世界中に模範として受け入れられ、多くの西側諸国が彼らの手法を取り入れています。

結論

デルタフォースは、その特殊任務遂行能力と歴史的な背景により、アメリカ陸軍の中でも象徴的な存在とされています。その活動は対テロだけでなく、国際的な安全保障や特殊作戦の枠組みにも大きな影響を与えており、今日においてもその重要性は増しています。

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