デンドロビウム

デンドロビウムについて

デンドロビウム（学名: Dendrobium）は、ラン科セッコク属に属する植物で、幅広い原種が特徴です。特に園芸用として人気があるのは、多様な色や形を持つ交配品種で、愛好家にとっては魅力のひとつです。デンドロビウムの名は、ギリシャ語の「デンドロ（木）」と「ビウム（生じる）」に由来しており、その多くは樹木に着生する習性を持ちます。

概要と特徴

デンドロビウムは、主に東南アジアを中心に分布する多年草で、原種は1000種類以上存在するとされています。植物の特徴として、茎が棒状になり、葉が節ごとに並ぶ形状が見られます。花は比較的控えめな形状をしていて、唇弁は他の花弁よりサイズが大きいのが特徴的です。花は茎の節や葉の腋から単独、または束になって咲くことが一般的です。

デンドロビウムには多くの改良品種があり、特に観賞用のものではノビル系やデンファレ系が広く流通しています。

系統の紹介

デンドロビウムは、その多様性により系統ごとに分類することが一般的です。以下に主要な系統について説明します。

ノビル系

デンドロビウム・ノビルを起源とし、茎に2～3個の大花をつける形が特徴です。古典的なデンドロビウムとして多くの人に親しまれています。花は中でも特に美しい姿を見せます。

デンファレ系

デンファレ系は、デンドロビウム・ファレノプシスから派生した系統で、花は茎の先端から長く伸び、多数の花をつけることが特徴です。他のデンドロビウムと似ているものの、花序の様子はコチョウランに近い印象を与えます。

キンギアナム系

この系統はデンドロビウム・キンギアナムを中心としており、細い茎の先端に葉を集める特異な形状を持ちます。花は小ぶりですが色鮮やかで育てやすいことから、人気があります。

フォーミデブル系

フォーミデブル系は、デンドロビウム・フォルモーサムから派生した改良品種の系統で、大輪の花が茎の先端に咲く特徴を持ちます。特に美しい白色の花が人気です。

カリスタ系

カリスタ系は、花が房状に咲き、全体が垂れ下がるように生育することから名付けられました。

繁殖と高芽

洋ランは一般的に株分けによって繁殖しますが、デンドロビウムの場合は節から新芽が伸びることがあり、この新芽を高芽と呼びます。新芽が成長すると、独立した株として切り分けることができます。しかし、高芽が出るとその節から花芽が出る可能性がなくなるため、多くの愛好者は高芽ができないことを望みます。特にノビル系では扱いを誤ると花芽形成に悪影響を及ぼします。

このように、デンドロビウムはその多様性と美しさから人気があり、愛好家の間で愛されています。栽培・交配の技術も進化しており、ますます魅力的な品種が生まれています。

もう一度検索